超一流のクレーム対応

「超一流のクレーム対応」を読みました。10月16日、東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部で、本書の著者、谷厚志氏の講演を聴きました。演題は「お客様の怒りを笑顔に変える!クレーム対応講座」でした。「会社にとってクレームは良きアドバイスだ」「クレームは解決してほしいよりもわかってほしいから」、よく考えると納得できる説明でした。お客様の良き理解者になるために、話をよく聴くことが大事で、共感すること、わかろうとすること、知ろうとする姿勢が大事。メモを取りながら事実を書き留めることの必要性も理解できました。テクニックも必要だが、共感する姿勢がもっと大切なことだと了解しました。「対立」を「対話」に変えることが、クレーム対応の要諦だと理解しました。
その折に、会場で販売していた本を購入しました。正直、期待していませんでしたが、読み始めると引き込まれる内容で驚きました。渾身の労作だと思います。講演では語りつくせない内容が上手にまとめられています。例えば「おっしゃるとおりです」「ごもっともでございます」は最悪の対応ワードだそうです。…これらは共感ではなく、同調だから。同調の言葉とは、全面謝罪になってしまうとの指摘は出色です。また、クレーム対応のグロージグは御礼、さらに、怒鳴られた時の対応は恐怖の表明など、役立つこと満載。スポーツクラブ経営の時代にこの本を読んでいたらもっと樂にクレーム対応できたのになぁと思いました。備忘します。

どんな相手でもストレスゼロ! 超一流のクレーム対応

どんな相手でもストレスゼロ! 超一流のクレーム対応

クレームは処理するものではなく対応するものです。…しっかり対応するとどのような良いことが起きるのでしょうか。 ページ28
…むしろ、良質でまともなクレームの方が圧倒的に多いのです。聞く耳を持って受け止めるべきクレームの方が断然多いということを忘れないようにしてください。ページ36
クレームは初期対応が大切です。最初の対応がうまくいかないと結果は必ず悪くなります。自分のせいではなくても、お客様を嫌な気持ちにさせてしまった事実があったならば、部署や肩書きは関係なく組織の代表として、最初にお詫びする対応を心がけてください。クレームから逃げない勇気と、自分事と捉えて向き合う強い心を持ちましょう。ページ49
クレーム対応の心構えとして大切なことは、「我こそが正義なり」と考え、お客様を否定して打ち負かしてはいけないということです。ページ56
お客様の時間を奪わないためにも、現場お客様の自宅に行くことが誠意だと考えてはいけません。また、誠意をアピールしようとしてもいけません。誠意とは、お客様の問題、お困りごとを解決しようとする姿勢です。ページ64
お願いする時のクッション言葉次の言葉を添えれば気遣いの気持ちを表すことができます。「恐れ入りますが」、「お忙しいところ恐縮ですが」、「大変お手数おかけしますが」、「厚かましいお願いではございますが」、「お差し支えなければ」、「ご相談させていただきたいのですが」ページ79
要望に答えられずにお断りするときにクッションクションとして次の言葉を添えれば、理由はどうあれ、残念な気持ちを表すことができます。「大変申し訳ないのですが」、「あいにくですが」、「お役に立てず残念なのですが」、「お力になれず心苦しい限りですが」、「しっかり考えさせていただきたいのですが」、「状況お汲み取りいただけますとありがたいのですが」ページ80
…軸がぶれないクレーム対応を徹底することです。特定のお客様だけに融通をきかせてしまうことは、それ以外のお客様に失礼です。この点について、経営者や管理者の方々には、どんなお客様に対しても同じように対応するために、組織としてどう取り組むべきかのルール作りをおすすめします。ページ88
謝罪には大きく分けて2つの方法があります。1つ目は、限定付き謝罪です。この限定付き謝罪のポイントは、その名の通り、限定的、部分的にあり、ということです。この方法がクレーム対応で使うお詫びのやり方です。ページ113
まさにクレーム対応は、新聞記者ジャーナリスト、あるいは芸能リポーターであるかのように、「どんなことがありましたか、お話を聞かせてください」という聞く姿勢を見せるのが好ましいのです。ページ126
お客様から話を聞くときに、対面でも電話でも必要なことはメモを取ることです。メモを取ることには、ある意味パフォーマンス的な要素もありますが、その最大のメリットは、自分たちが主導権を握ることができるということです。ページ127
…メモを必ず取ってください。メモを取れば、事実と意見を分けることができます。メモを取らない対応者は、残念ながら自分の正当性や意見を主張します。ページ129
責任者を出せ! 「ご不便をおかけしたことがあったようですね。申し訳ございません。お話を伺いし、上司にも報告をしたく存じます。どのようなことがございましたか?」ページ136
最悪のNGワード、「おっしゃるとおりです」「ごもっともでございます」…これらは共感ではなく、同調だからです。同調とは同意や賛成を表す言葉です。…実は同調の言葉とは、全面謝罪していることと同じなのです。ページ165
お客様は目の前の問題を解決して欲しいと思っていますが、それ以上に「わかってほしい」「理解して欲しい」からクレームを言うということです。ページ167
クレーム対応の最後で、「この度は申し訳ございませんでした」などと言ってお客様を帰らせたり、電話を切ったりするのはアウトな対応です。実はクレーム対応の最後はお礼の言葉で終わるのがよいのです。ページ218
訴えてやるというクレームを受けた場合…超一流な寄り添う言葉は、「お客様が私どもを訴えるとおっしゃるくらい、お怒りだというお気持ちが伝わってまいります」ページ229
解決策を三回説明してもお客様が納得されない場合はどうすれば良いのか? …私はどうしてもお客様の要望に応えられない最場合のクレーム対応の最後の言葉として、次の言葉をお勧めしています。「私どもとしてしましても、できるだけのことはさせていただきたく考えておりました。ただ、今回は残念ながらお客様のご要望に添えることができません。まことに残念でなりません。当社としましても大変重く受け止めております」ページ243
興奮されたお客様から暴言を吐かれて、あなたが恐怖心を持ったならば、そのまま感情お客様に次のように伝えてください。「お客様のお言葉で怖くなってしまい、何と申し上げて良いのかわかりません」ページ252
お金の要求などが絡んでくる場合は、迷わずに警察を呼ぶということを前面に出して対応を打ち切る方法選択してください。ページ259