「ルイスキャロル・アンデルセン」(週間朝日百科 世界の文学14)を読みました。産業革命の大変革の中、未来の象徴の子供に感心が集まり、児童文学が英国を中心に花開きました。生意気な「不思議な国のアリス」、「人魚姫」「ピーターパン」など、うろ覚えの物語を楽しく思い出しました。あちこちで見かけるイラスト、ミルン「クマのプーさん」ポッター「ピーターラビット」もこの時代の作品です。ストーリーも作者のこともはじめて知りました。
カフカ・ホフマンスタール
「カフカ・ホフマンスタール」(週間朝日百科 世界の文学68)を読みました。「ペスト」とともに不条理文学の傑作「変身」の背景を知りました。カフカは、ドイツ生まれのユダヤ人です。生前は有名な作家ではなく、死後30年経って実存主義の花形となりました。安部公房の作品にも大きな影響を与えていると思います。20世紀のはじめに現代の管理社会や孤独を描いています。おそるべき先見性だと思います。思わず「変身」を読み終え解釈に迷いました。感想を備忘します。
カフカ「変身」を読みました。不条理小説の傑作と言われてます。いつか読もうと思ってました。読後、正直なところ小説の意味がつかめませんでした。
主人公グレゴールはある日ベッドで目を覚ますと自分の姿が「虫」になっていた。部屋のドアを開け、変わり果てた姿で家族と対面したグレゴールの数ヶ月の物語が始まる…衝撃的な書き出しです。
家族の驚きと本人の平静の中、家族は、恐れや世間体の悪さからグレゴールを「人間」から「虫」に認識を変化させます。そして厄介者として排除しました。「虫」が死んで、明るく幸せな日常がはじまる。これは不条理です。あれほど家族思いだったグレゴールに何たる仕打ち!
あえて意味を述べれば、人間は言葉で意思を正しく伝えることができなければ、他人に誤解されてしまいます。転じて、ネット世界の「炎上」に通じるものがあるかもしれません。管理社会の孤独を教えてくれているのかも知れません。
この小説の解釈をこれからも続けていきたいと切に望みます。私自身の存在意義の問題だと直感しています。
コナンドイル・スティーブンソン
「コナンドイル・スティーブンソン」(週間朝日百科 世界の文学13)を読みました。英国の推理小説が満載です。シャーロックホームズ、アガサクリスティ「オリエント急行殺人事件」、ドラキュラ、「ジキル博士とハイド氏」などなど…映画やドラマでおなじみのキャラクターの原作がよくわかりました。19世紀後半に小学校が無償化され、識字率が高まったことにより、娯楽小説の全盛を迎えました。
歴史と文学
「歴史と文学」(週間朝日百科 世界の文学10)を読みました。ギリシャのヘロドトスから始まって、司馬遷、イブン・ハルドゥーン、ギボンなど有名人が続きます。「インカ皇統記」は全く知りませんでした。征服者とインカ帝国の皇女との混血者が作者だそうです。ギボン「ローマ帝国興亡史」も名高いですが、滅亡の理由がキリスト教を受け入れたことだと解釈しているのには驚きました。ハルドゥーン曰く「人間の寿命は完全な星の下に生まれれば120年であり、王朝の寿命も三代120年を超えることはない」(ページ2-316)歴史そのものを扱った本には必ずハルドゥーンが出てきます。現代の歴史家にとって「歴史序説」は必読の書なのでしょう。