読書の技法

「読書の技法」を読みました。月平均300冊、多い月は500冊以上を読むという佐藤優氏の読書論です。「超速読」で本を選別、熟読する本を探す技法が丁寧に述べられています。著者が熟読する本は月に平均4〜5冊だそうです。また熟読ができなければ速読はできないそうです。大変勉強になりました。私に足りないのは、基礎知識の不足と抜き書きに対するコメント(意見表明)が抜けていることでした。触発されて、「詳説 政治・経済」「NEW出口現代文講義の実況中継」「もう一度 高校数学」を注文しました。備忘します。

…基礎知識が身についていれば基地の部分を何度読んでも時間の無駄だ。新たな本を読むとき既知の内容に関する部分は読み飛ばし、未知の内容を丁寧に読む。(p.027)
★私もそうしています。
日本でも、大学受験のために歴史を丸暗記する学生は少なくない。しかし、歴史の論理を理解しないまま丸暗記するので、大学入学後しばらくすると、ほとんど忘れてしまう。ロシアやイギリスの知的エリートは、きちんと理解したうえで徹底的に暗記につとめるので、その知識が血肉となり、将来応用が利くものになる。そうした基礎知識を高等教育までで徹底的に詰め込むからこそ、大学入試後、驚くほどの速度で大量の本を読むことができる。(p,044)
★受験勉強が中途半端であった。運で大学に合格してしまった。
…読書の要諦は、この基礎知識をいかに身につけるかにある。基礎知識は熟読によってしか身につけることはできない。しかし、熟読できる本の数は限られている。そのため、熟読する本を絞り込む、時間を確保するための本の精査として、速読が必要になるのである。(p,045)
★その通りです。練習をします。
…速読の第一の目的は、読まなくてもよい本を外にはじき出すことである。(p.051)
入門段階で、基本書は3冊、5冊と奇数でなくてはならない。その理由は、定義や見解が異なる場合、多数決をすればよいからだ。(p,055)
★ただちには納得できない。
熟読の要諦は、同じ本を3回読むことである。…第1回目は線を引きながらの通読、第2回目はノートに重要箇所の抜き書き、そして最後に再度通読する。
…筆者は速読を「普通の速読」と「超速読」に分けている。「普通の速読」とは、400ページ程度の一般書や学習書を30分程度で読む技法である。その後、30分かけて読書ノートを作成すれば、着実に知識を蓄積することができる。…「超速読」は、…5分程度で読む技法で、試し読みと言ってもよい。(p.076)
★なるほど
まず序文の最初のページと目次を読み、それ以外はひたすらページをめくる。このとき文字を読まない。とにかくページ全体を見るのだ。何か気になる語句や箇所が出てきたら、後で分かるようにシャープペンで大きく囲むなど印をつけ、その上でポストイットを貼る。…そして、結論部のいちばん最後のページを読む。これで…当たりをつけることができる。(p.078)
★実践してみる
ゆるい形で本を読む習慣が身についてしまうと、いくら本を読んで知識を取り入れようとしても、頭の中に定着していかない。…10冊の本を読み飛ばして不正確な知識をなんとなく身につけるより、1冊の本を読み込み、正確な知識を身につけた方が、将来的に応用が利く。(p.101)
★たしかに、衒学趣味もあり読書数を増やすためにいいかげんに読んでいることを反省。
…ノートは1冊に集約し、読んだ本の抜き書きやコメントに加えて、語学の練習問題の解答から仕事のスケジュール、簡単な日記まで、すべて時系列で記すようにしている。(p.102)
「コメントに買うことが思い浮かばない」という相談もうけるが、最初は、「筆者の意見に賛成、反対」「この考え方には違和感がある」「理解できる、理解できないなど自分の「判断」を示すもので十分である。(p,104)
★納得できる。人間は時系列をよく記憶しているようだ。
このように、抜き書きとコメントをノートに記していけば、知識は着実に身につくはずだ。蓄積された知識はビジネスの武器になる。(p.110)
★信じて継続するしかない。
数学も英語も、基礎学力がついていないと、どれだけ努力を費やしても能力が向上しない。…半年から1年で欠損を埋めることができるので、その作業に着手することを強くすすめる。現実を湖心坦懐に認め、自らの欠損を早く埋めた者が最終的に得をする。(p,114)
★かなりの欠損に怯えてしまう。
大学入試センターの試験問題をひととおり解いてみれば、どの辺に知識の欠落があるのかがよくわかる。目安として、8割を得点することができれば、当該科目の基礎知識が身についてるいると考えてよい。まずは高校レベルの知識を基礎知識の基本と考えればよい。(p.115)
★8割はとうてい無理だが、教科書を勉強したのちに挑戦した。