2050年の世界

2050年の世界を読みました。副題は「英 エコノミスト誌は予測する」です。2050年まで自分で生きてる事はまずありえませんが、本書の予想が当たっているかどうか確認できたら楽しいだろうなあ。気になった部分を備忘します。

2050年の世界―英『エコノミスト』誌は予測する

2050年の世界―英『エコノミスト』誌は予測する

執筆陣の…共通項は、アジアとりわけ中国を重視する姿勢だ。現在、地球上では東洋の大移動が進行してる。… 2050年のアジアは世界経済の50%以上を占有しているだろう。 1820年以前の数百年間と同様のこの数字は、地球環境から軍事力のバランス、世界経済の重視まで、ありとあらゆる事象に甚大な影響を及ぼすはずだ。(11ページ)
これから人口の配当を受ける地域は、インドとアフリカと中東である。しかし若年層をふくらみが政治的な不安定要因ともなる。これからも人口の負の配当を受けるのは日本とヨーロッパそして中国である。他とは比較にならないほど人口動態の負の配当を受けるのは中国だ。安い労働力による世界の製造工場の役割を中国は終える。日本は世界市場未踏の高齢社会になる。(40ページ)
高齢化に伴う最も深刻な影響は、アルツハイマー病の増大である。痴呆老人の介護は、結果として各国政府に財政的圧力をかけるはずだ。そして、製薬業界には予防薬や治療薬を開発する強大なインセンティブが働くはずだ。( 63ページ)
製造セクターの縮小と、サービス業の増大は、世界的傾向となる。サービス業は女性にとっては相性は良いが、しかし、雇用は非正規雇用や有期雇用で不安定である。 (85ページ)
SMSの興隆により、三つのトレンドが将来に予想される。 1つ目は意思決定において友人の影響力が強まること。 2つ目は集団の英知を利用したWikipedia型のサービスを利用する度合いがますます強まること。 3つ目は新聞やテレビなどの大マスコミに頼らずとも大規模な運動を起こすことができること。 (102頁)
唯一英語に変わる世界言語があるとすれば、それはコンピューターであるコンピューターによる翻訳能力は飛躍的に上昇し、外国語学習を、ペン習字のように時代遅れのものにする。( 125ページ)
貧しいほど宗教に寄与する割合が高くなり、豊かになればなるほど、宗教は相対化されていく。( 146ページ)
中国は2025年を境に急速に高齢化が進み、人々はそれまでに海外にため込んだ対外純資産を取り崩し始める。そして中国は労働力不足に陥る。(261頁)
しかしその中で日本は相対的に、急速にプレゼンスを失っていく。2010年には、世界経済の5.8%を占めていた日本のGDPは、… 2050年には、 1.5%になる。経済成長のスピードも…今後40年を通して、 1.4から1.2%で推移する。その結果2010年には、アメリカの7割やった日本のGDPは、 2050年には相対的に58.3%まで低下する。(279ページ)
他にもあらゆるものがネットと常時接続するようになり、そのネットワークがが私たちの生活を変える。ロボットの技術革新によってこれまで人間にできなかった作業ができるようになる。あるいは、電子秘書の機能を持つ自立型のソフトウェアができることで、仕事の効率化が起きるなど、様々な技術革新による経済の変化が予想される。( 313ページ)