人生に失敗する18の錯覚

「人生に失敗する18の錯覚」を読みました。帯に「世界一やさしい経済学を学んで人生に勝つ!!」とあります。主に投資の方法と、人間の心理について述ております。なかなか示唆富む内容で、これまでの株式投資や博打に対して大いに反省させられました。備忘します。

人生に失敗する18の錯覚 行動経済学から学ぶ想像力の正しい使い方 (講談社+α新書)

人生に失敗する18の錯覚 行動経済学から学ぶ想像力の正しい使い方 (講談社+α新書)

どうも我々人間は教養や知性に関係なく興奮すると我を忘れてしまうのですね。これは言い換えるなら「興奮状態ではリスクに鈍感になる」ということです。( 21ページ)
本当は実質賃金が増えて、喜ぶきデフレ時代に気が滅入り、実質賃金が目減りして、苦しいはずのインフレ時代が楽しい消費の時代だったと回想する矛盾多き私たちの行動や考え方、面白いと思いませんか。(71ページ)
株主優待とは、その利益を使ってあなたに届けられる、形を変えた利益の1部なのです。自分が受け取るだろうお金で搭乗券やジュースを買っているだけですから、ちっとも嬉しくないはずなのに、何か天から株主優待の品物が降ってきたように感じて喜んでしまうのです。間違いなく利益額はその分減っていますので株価下がっているはずです。…自分のポケットからお金を移し替えているだけなのに妙に嬉しくさせられる魔法の言葉「株主優待」にご用心。(72ページ)
…株式が需要と供給で決まるという勘違いをしている投資家を、煽りに煽って自分たちの買いに同調させます。無知な投資家の心理操作をすると言っても良いでしょう。…くどいようですが、株価を決めるのは基本的にはファンダメンタルズです。(92ページ)
…損失が大嫌いというのは、我々人間に共通した性質のようです。行動経済学の研究を通じて、損失は利益の2.5倍のインパクトがあることが分かっています。つまり人間は従前の期せずしてもらえた時の喜びと、予期しない10万円の出費を変えたときの辛さでは後者のインパクトが2.5倍だと言うのです。それは感覚としてよくわかりますね。損はいやだから何としてでも損失を回避したいのです。(100ページ)
株式投資をする人で、利の乗った銘柄はすぐに売ってしまって利益を確定するのに対し、含み損の銘柄はいつか必ず戻る思い込み、買値と同じ値段まで戻ってきたら売ろうと考えてしまう人は多いことでしょう。でもこうした行動こそ、まさにプロスペクト理論の言う通りの行動パターンです。 …そうならないように、「失うのは辛い。だからこそ失ってしまう」という現実を直視し、投資に関しては、「一に損切り、二に損切、三、四がなくて五に損切り」を実践していただきたいと自戒も込めてお伝えしたいと思います。(110ページ)
…これまでに使ったお金は、現在の意思決定に影響を与えるきではありません。今後、のの事業を完成させることにより得られる便益と、その事業を遂行するのに必要な資金を比べ、便益の方が大きければ続行し、小さければ即時中止するきでしょう。過去にどれだけお金をかけていようと、将来にわたって赤字を垂れ流すようなお荷物を作るきではありません。(129ページ)
…人生において成功するためには、時間割引率が低くないといけないのです。つまり将来の楽しみのために、現在我慢するという態度がとても重要だということです。教育熱心なお母さん方には、勉強だけでなく生活全般について「我慢できない子は出世できない」ということをよくわかっておいていただきたいのです。ある程度、我慢すること覚えさせるということは、子供の将来の成功のためにとても必要なのではないでしょうか。(137ページ)
株式投資を冷静に観察し、 プラスサム投資だということがわかれば、今日からでもコツコツと始めるのが合理的なのです。ただし、断っておきますが、個別株の投資はこの限りではありません。あくまでもデータが示してくれているのは、株価指数の継続的な投資が必ず実を結ぶと言うことです。(164ページ)
つまり人間の脳は、携帯電話で友人の名前が表示されると、すぐにガードを弱くしてしまい、前頭極と言う部分が働きはじめるのだそうです。前頭極が働き始めると、大脳の冷静な思考回路を混乱させる作用があるため、会話の中でおかしいと思うき点がいくつか出てきたとしても、それらを判断できなくなるようです。最近振り込め詐欺の中でも、この特性を悪用した手口があるそうです。 (199ページ)