資産防衛マニュアル

「日本の国家破産に備える、資産防衛マニュアル」を読みました。大変勉強になりました。国家財政の破綻は必ずおこるが、すぐには起こらないので、今は普通預金にしておくことのが有効であるとのことです。危険の兆候は国債金利が高くなりはじめることで、上がりはじめたら、対処の必要があるそうです。一旦、ヘッジファンドは、「円高」を仕掛けてくるので慌てないこと。ここで多くの「ミセスワタナベ」は振り落とされるそうです。そこで慌てずに外貨にシフトしていけばよいそうです。また、この本ではじめてオプション取引を知りました。FXよりも先物取引よりも、博打に近いが、投資金額以上には損害を蒙らないので、3ヶ月先の日本の株価が半額になると予想出来た時点で、百万円を張ることにしました。リターンは1億円です。その他のヘッジ商品(ファンド)の紹介や、ブル、ベア取引の基礎をわかりやすい例で説明しております。良書です。備忘します。

日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル

日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル

日本国の財政が破綻すると経済的には以下の3つのことが起こる。それ以外のことは起こりません。1.金利の上昇 2.円安 3.インフレ 以上この3つのリスクを具体的に検証してみましょう…財政危機は国債価格(金利)を見れば分かる。これが大事なポイントです。仮に日本国債が暴落すれば、何が起きるでしょうか。…金利の上昇によって変動金利でマイホームを購入した人は返済ができなくなり、自己破産と不動産の競売が急増することは間違いありません。短期の借り入れで資金繰りをしている企業も同じで、金融危機と企業の倒産、住宅ローン破産は1つの原因(金利上昇)から発生する同一の現象です。大規模な金融危機は株価の下落をもたらし、企業の倒産とリストラによって失業率は大きく上昇するでしょう。(48ページ)
財政破綻で超円安を予想する人が多いとしても実際に何が起きるかはその時になってみないとわかりません。日本の対外純資産は民間だけで180兆円以上、国内金利が上昇すれば海外資産を売却して円に戻す動きが広がるでしょう。金利の上昇で海外投資家が日本国債に投資し、それが円高につながるかもしれません。ただし、為替レートは長期的にはインフレ率と金利差を調整するように動きますから、高金利の通貨はいずれは安くなります。…為替の水準は、金利の上昇とインフレがどこまで進むかによります。円の為替レートというのは日本と外国通貨を交換する際の単なる神座の道具ですから、ハイパーインフレのような極端な事態を想定すれば、 1ドル= 500円,1000円になってもおかしくありません。歴史上通貨の価値が10分の1が100分の1になることは決して珍しくはないんです。 (49ページ)
インフレというのは国家にとって税金の1種であり、歴史上、巨額の財政赤字はほとんどがインフレ税によって精算されてきました。インフレで借金の実質価値を減らすことができなければ、どこまでも財政赤字は拡大し続けるから、結局インフレになるほかは無いのです。国債というのは固定金利による借金です。(49ページ)
一旦インフレが起きると、円安を引き起こします。これは因果関係を逆にして、円安が輸入品の価格を調べて国内物価を耳にする、といっても同じことです。このようにして財政が破綻すると、金利の上昇円安がの上昇というスパイラルが始まって加速度的にインフレ率が上昇し、最後はハイパーインフレと呼ぶような物価の暴騰に至るのです。最大の被害者は年金だけで生活している人たちで、急激な物価の上昇で家賃を払えずにホームレスになる高齢者が激増するかもしれません。ハイパーインフレとは国民を犠牲にして国家が借金を清算することなのです。(50ページ)
それではあべのミックスの暴走で構日本国の財政が破綻する破滅シナリオが現実のものになったとしたら、いったいどうすればよいのでしょうか。ここではまず、日本国の財政破綻を3つのステージに分けて考えます。第1ステージ 国債価格が下落して金利が上昇する 第2ステージ 円安とインフレが進行し、深刻な金融危機が起き、国家債務の膨張が止まらなくなる 最終ステージ 日本政府が国債のデフォルトを宣言し、 IMFの管理下に入る (89ページ)
…破滅シナリオ=円安と決めつけて今から大量に外貨資産を保有しておくと、金利が上昇する局面で思わぬ損失を被る恐れがあります。もちろん本当に円安の規定利益を得ることもあるでしょうが、これは要するにギャンブルということです。金利が上がれば利息は増えるし、 1,000万円までの元本と利息は日本国を保証してくれるのですから、破滅シナリオの第一ステージでは為替リスクを取るより普通預金の方が運用戦略としてははるかに優れています。ところが破滅シナリオ第2ステージでは、インフレと円安によって、資産の価値が失われ、日本人の資産ポートフォリオの収穫不動産年金、預金が大きく毀損してしまいます。経済がこの段階まで悪化すると、もはや普通預金だけでは資産を守ることができません。そのとき私たちは何をするべきか、それが次のテーマです。(90ページ)
戦争や内乱と違って市場での出来事は継続性が強いので、デフレからハイパーインフレになるには、マイルドな部分と円安による楽観的な時期が君の上昇と企業倒産、自己破産の増加で不安が広がり、ついには国債の暴落してパニックが起きるというような文順を追って状況が悪化していくはずです。だからこそ破滅シナリオの第一ステージは普通預金リスクヘッジして、その間に第2ステージの経済的な混乱に備えることが可能になります。 100ページ
外貨投資のポイントはどの通貨を保有するかでしょうが、長期的には国の違いは為替の変動で帳消しになって損も得もなくなるはずなので、金利の高い通貨をやればいいというわけではありません。(105ページ)
破滅シナリオでは国債の暴落、金利の急騰と大幅な円安、高率のインフレが日本経済を襲います。一般にインフレには株式と不動産の強いとされますが、財政破綻が引き起こすインフレではこの法則は通用しません。インフレで株価や地価が上昇するのは、賃金の上昇と経済成長が伴うからです。インフレ高金利にも関わらず必要や不況が続くスタグフレーションでは、株価も地価の下落することになります。(106ページ)