経営のやってはいけない

「経営のやってはいけない!」を読みました。中小企業の経営者がやってはいけない、べからず集です。大企業系列の中小企業では思いもつかないことが書いてありました。曰く、「定款は戸籍、登記簿は履歴書」であり、登記簿が汚れていると与信で不利になるとのこと、知りませんでした。他にも長年社長をしていた私にとって耳に痛いことも書いてありましたが、自明なことと思っていたことも多く、自信にもつながりました。これから起業する人には是非、読んでおいてもらいたい本です。備忘します。

経営のやってはいけない!

経営のやってはいけない!

「これをやったから成功した」ということよりも「これをやらなかったから成功した」ということのほうが、はるかに再現性が高い。(p.019)
今、すでに会社を経営している人や、もしくはこれから起業しようとしている方は、企業理念より何よりも、まず第一に商売のことを考えるべきです。(p.023)
助成金はご褒美。もらうこと自体を否定はしませんが、できれば頼らないほうがいい。そしてこれは結果としてもらえるもので、それ自体を目的にすべきではありません。(p.027)
商売に必要なもの、それは売ることです。…売ることこそが企業の存在価値であり。売れなければ何もはじまりません。それゆえ、営業ができない、ひいては人づきあいが苦手だという人は、商売を始めない方がいい、…営業とは商売の根幹に関わることなのです。(p.035)
信用を築くにはどうしたらよいでしょうか。…結局最後には、「カネに汚いことをしない」ということで落ち着くのではないでしょうか。(p.50)
いずれにしても、「失敗」はしてはいけません。失敗は自分だけでなく、取引先や顧客にも迷惑をかけます。だから絶対に失敗しないようにしなければならない。いやしくも「失敗した方がいい」などと言ってはいけない。絶対に。(p.53)
自分の会社を潰す方法を考えろ…こうやって自分の会社を潰す方法を一つ一つ「潰していく」ことで、万が一のことがあった場合でも会社は持ちこたえられるはずです。これこそが「会社の危機管理」。(p.63)
使いやすい社員がよい社員…会社が組織として欲するのは、社長の代わりができる社員ではありません。(p.083)
現在では、取締役1名で代表取締役を名乗れるため、取締役会を設置しない株式会社も多く見受けられます。(p.135)
会社設立時に決めることで、決算月ほど安易に決められているものはありません。…場合によってはこのような機動的な決算月の変更も考えてみるべきです。(p.137)
会議は議論の場ではなく、いわば報告会、意見の出し合いは、会議の前に部署ごとや課ごとにミーティングで済ましておくべき…(p.145)
設備投資は自己資金で行うのが理想。それが叶わぬなら分割払い、次に借入金。それも無理ならリース、といったとこれでしょうか。(p.161)
企業の目的は利益をあげることだが、利益は売り上げをあげるだけで稼げるものではない。元(もと)、すなわち購買(仕入れ)をしっかりやることこそ、利益を上げるためには必要なのだ…(p.210)