ヘンテコピープルUSA

「ヘンテコピープルUSA」を読みました。著名な経営コンサルタントの推薦です。著者ルイ・セローはマイケル・ムーア監督のもとで修行したのち、英国のトンデモ番組の制作にかかわりました。そのトンデモ番組の出演したヘンな人たちの数年後を取材してこの本にしました。カルトのリーダー、インチキマネー講座主催者、売春婦、国粋主義者などなどのインタビュー記事です。興味の湧かない部分は飛ばし読みをしました。DVで有名なティナ・ターナーの夫、アイクのインタビューの感想に感心しました。著者の洞察力は鋭い!「…実のところ。僕はわずかながらティナ化していた。これはきっと、彼と時間を共有するものの運命なのだろう。僕はアイクの極端なまでの神経質さが、周りの人々をコントロールする力となっていることを理解したそして、初めて会ったときに感じた彼の脆弱さは、同時に彼の力の源でもあったのだ。(p.93)」もうひとつは米国で唯一の合法売春地区での売春婦への密着取材です。著者は、多分、インタビュー相手に愛され始めていました。著者ルイは優しい、愛すべき奴です。「…(売春婦の)彼女たちは誠意と偽善の間にあるグレーの領域で偽りの自分を演じていた。客が自らの人生で見つけることができなかった女性を、お金をもらって演じるという物まね役者なのだ。…このキスをするしないという境目が、ビジネスと私事とを分けるポイントだと女性は語っていた。(p.144)」

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