顧客の心を掴むニーズ多様化時代のマーケティング戦略

親会社のマーケティング部門の著作です。贈呈本です。日本市場の資料集として役に立ちます。新しい消費論(自己実現マーケティング)、ブランド戦略論を詳しく説明しています。親会社の基本戦略であると了解しました。

顧客の心をつかむニーズ多様化時代のマーケティング戦略

顧客の心をつかむニーズ多様化時代のマーケティング戦略

…ピケティによれば、欧米とともに日本でも格差が拡大しているという。…資本収益率は経済成長率を上回るという公式、そして日本の人口減少に求められる。…少子化の結果、富を相続する子供の数が減少すると、富裕層において1人の子供が相続するとには以前より大きくなる。一方、相続できる資本がない家庭の子供が、労働所得のみで資産形成を行うのは困難になっている。従って富裕層の富が膨らむ速度に、そうでない層の所得による蓄積は追いつかず、格差が拡大するということになる。ページ108
…ヒット商品の時系列を俯瞰すると、共通したキーワードを抽出することができる。1.差別化、2.ブランド力、3.本物感、4.健康感、5.省く・節約、6.つながり、7.新しいシーン・オケージョンの提案 これらのキーワードは時代が移り変わろうとも不変の本質ではないだろうか。ページ126
無職シニアにとって健康はいわば財産であり、より積極的にて手入れし、守るべきものとなっている。社会内ではすでに何事かをなし終え、獲得すべきものは獲得した。あるいは、少なくとも何かを手に入れることに時間を費やすゲームはもう終わった。残るのは自分だけが生き、味わうことができる個人としての生の時間である。…身近な人々との人間関係、身の回り品の世界、そして日々の生活を楽しみ、いとおしむことができればよい。ページ144
…顧客の主体化という傾向は一層の進展を見せ、2014年に提唱されたマーケティング4.0は自己実現マーケティングと呼ばれることになった。ここでは、顧客の自己実現欲求に働きかけ、それを叶えていくことがマーケティングの主眼だとされている。下敷きとなっているのはマズローの5段階欲求説である。ページ174
…このような、モノやサービスのパリティ化(同等化、平等化)、コモディティー化(一次産品化)の状況を脱する可能性を持つのがブランド戦略である。その重要性は、今日のマーケティング環境においてますます看過しえないものとなっている。ページ176
ブランドには識別機能、品質保証機能、象徴機能という3つの機能があると言われている。ページ128
ブランドの成立要件としては、継続性、独自性、明瞭性の3点が主要要件と言われている。ページ181< <