戦略読書

ブックガイドブックのかたちをとっていますが、意見を十分に述べています。著者は、ボストンコンサルティングアクセンチュアで活躍されたコンサルタントです。八百屋さんの息子さんとのこと、東大に合格して、さもご両親のご自慢の息子さんだったでしょう。親孝行です。備忘します。

戦略読書

戦略読書

アーサークラークのSF「幼年期の終わり」で語られるのは人類の誕生と旧人類(我々)の救助です。でもそこでの本質は進化とは断絶であるということでしょう。ページ38
読書方針:自分が今関わっているビジネスの主要テーマごとに1-2冊、古典とされている本を読む。熟読吟味し、内容理解する。資源配分:1冊あたり10時間以上かかっても構わない。すべての基礎になるので、読破するまではこれらに集中する。ただし10冊を超えないこと。ビジネス小説は厚みにより何冊でも適宜。ページ58
そもそも、人の能力とはなんでしょうか。考える力が3つの要素に分けられます。言葉、論理、知識です。その掛け算で考えは進んでいきます。リベラルアーツとは、考えるエンジンとして、その前2者を鍛える学問なのです。知識ではありません。人や社会を対象にするときは言語が言葉で、哲学が論理です。自然を相手にすれば数学が言葉で物理学などが論理となります。ページ99
人間はこれほどまでに、接する情報に左右されるのだと思い知りました。人と同じ食べ物を摂取し続けると同じ病気にかかります。同じ情報を収集し続ければ、同じ意見しか出てこなくなります。ページ177
面白い情報検索の前提は、意見でなく事実を探すことです。…でも面白いものを見つけるために、人の評価や意見に頼っていても、仕方ありません。事実だけをまずは集めましょう。そしてそこから見つけ出すです。非常識、不合理、矛盾、数字を。まずは意識的に、そして無意識になるほど続けることそれが、発見型読書なのです。ページ189
そして調べるときには「人より一段だけ広く深く調べる」ことです。インターネットで調べるのなら、キーワード検索して10ページ分くらい斜め読みする、ウィキペディアは英語版も読む、出典元の記事論文を読む、が私の基本技です。ページ224
人の知的活動とは、結局、次の4段階のちの階層で表せるのではないでしょうか。○元の情報である「データ」○それを整理整頓した「インフォメーション○そこから意味合いを引き出した「インサイト」○それらを統合、抽象化して作り上げた「コンセプト」。対象はどうあれ、私たちがふだんこの4段階の間を行ったり期待して思考しているのです。ページ231
ビジネスも同じです。来たお客さんではなく、来なかったお客さんを見ないと大きな売り上げ向上の余地はありません。だから店の中ではなく、店の外で通行客を調べます。ページ236
企業は巨大な生き物のようなのです。その変革はまさに生物の進化に等しいでしょう。企業変革のプロジェクトにおいて常に直面するのは既存勢力の抵抗と新しい思考や行動への反発です。しかしながら企業を生物として見、変革をその進化と捉えれば、それがいかに大変で、種の存続を掛けた出来事かがわかります。…また効率性のみにとらわれていては、創造性も生まれてきません。ときに、非効率な自らの学びにかけることも大切です。…これは、企業にあっても同じこと。新しい世代や組織を隔離して見守るしか無いのです。いずれもその企業の経営者にとって厳しい決断でしょう。しかしヒトの進化というものを突き詰めれば、それしかないのです。ページ281
「青い星まで飛んでいけ」ハヤカワ文庫 ページ282
「龍は眠る 」宮部みゆき 小川一水 新潮文庫 ページ289
「華栄の丘」宮城谷昌光 文春文庫 ページ320
義経はここにいる」伊沢元彦 徳間文庫 ページ323
湾岸ミッドナイト楠みちはる 講談社
…読んだことは、そのままでは、ただの知識です。書くことを通じて整理され、コンセプト化もされるでしょう。でも、その前に、そこで得た知識を人に伝えてみましょう。ページ359