人工知能は人間を超えるか

人工知能は人間を超えるか」をkindle で読みました。ディープラーニングの可能性は計り知れないけれども、最初のブレイクスルーをしたばかりで人を超えるには、まだまだ時間がかかるようです。鉄腕アトムは、私の生きている間には実現不可能でしょう。シンギュラリティののちには、コンピュータがコンピュータを設計して人の能力を超え、人は存在意義を失うかもしれないと怖れていました。特徴表現学習とビッグデータを組み合わせれば、現状の人工知能でも社会の生産性向上や生活向上をもたらすことはできるとのこと。備忘します。

うまくいけば 、人工知能は急速に進展する 。なぜなら 「ディ ープラ ーニング 」 、あるいは 「特徴表現学習 」という領域が開拓されたからだ 。これは 、人工知能の 「大きな飛躍の可能性 」を示すものだ 。…冷静に見たときに 、人工知能にできることは現状ではまだ限られている 。基本的には 、決められた処理を決められたように行うことしかできず 、 「学習 」と呼ばれる技術も 、決められた範囲内で適切な値を見つけ出すだけだページ3%
「グ ーグルがネコを認識する人工知能を開発した 」という一見すると何でもないニュ ースが 、実は 、同じグ ーグルが開発している自動運転車のニュ ースよりも 、ずっと 「本当にすごい 」ことだとわかってもらえれば 、本書はその役割を果たしたことになる 。ページ14%
つまり自分が考えているということを自分でわかっているという 「入れ子構造 」が無限に続くこと 、その際 、それを 「意識 」と呼んでもいいような状態が出現するのではないかと思う 。ページ23%
機械学習は 、コンピュ ータが大量のデ ータを処理しながらこの 「分け方 」を自動的に習得する 。いったん 「分け方 」を習得すれば 、それを使って未知のデ ータを 「分ける 」ことができる 。いったん 「ネコ 」を見分ける方法を身につければ 、次からはネコの画像を見た瞬間 、 「これはネコだ 」と瞬時に見分けられるということだ 。ページ44%
人間は特徴量をつかむことに長けている 。何か同じ対象を見ていると 、自然にそこに内在する特徴に気づき 、より簡単に理解することができる 。ある道の先人が 、驚くほどシンプルにものごとを語るのを聞いたことがあるかもしれない 。特徴をつかみさえすれば 、複雑に見える事象も整理され 、簡単に理解することができる 。ページ51%
つまり 、コンピュ ータが与えられたデ ータから注目すべき特徴を見つけ 、その特徴の程度を表す 「特徴量 」を得ることができれば 、機械学習における 「特徴量設計 」の問題はクリアできる 。ページ52
ディ ープラ ーニングは 、デ ータをもとに 、コンピュ ータが自ら特徴量をつくり出す 。人間が特徴量を設計するのではなく 、コンピュ ータが自ら高次の特徴量を獲得し 、それをもとに画像を分類できるようになる 。ディ ープラ ーニングによって 、これまで人間が介在しなければならなかった領域に 、ついに人工知能が一歩踏み込んだのだ 。私は 、ディ ープラ ーニングを 「人工知能研究における 5 0年来のブレ ークスル ー 」と言っている 。ページ54%
「生きている場所や環境が異なるのに共通に出てくる概念 」は何らかの普遍性を持っている可能性が高いのだ 。言語は 、こうした頑健性を高めることに役立っているのかもしれない 。そう考えると 、人間の社会がやっていることは 、現実世界のものごとの特徴量や概念をとらえる作業を 、社会の中で生きる人たち全員が 、お互いにコミュニケ ーションをとることによって 、共同して行っていると考えることもできる 。ページ74%
企業活動も同じで 、ビッグデ ータによって 、企業を取り巻くさまざまな環境をとらえられるようになった 。まさに 「眼の誕生 」だ 。センサ ーが発達した結果 、企業はさまざまな戦略をとれるようになる 。ページ91%