ふたつのFORTUNE

「ふたつのFORTUNE」を読みました。「副題は1936年の日米関係に何を学ぶか」とあります。1936年に、米国のフォーチュン誌が日本特集を組んだそうです。何と200ページにわたり日本の分析を行ったそうです。その後も補遺として1941年にも追加的に特集を組み、また1991年にも特集を組みました。著者、寺島氏の問題意識は、1936年当時の日本を米国がどのように分析し、5年後にパールハーバーで開戦に至ったのか? そして貿易摩擦が激しくなった1990年代にその教訓はないのか? 詳細に分析しています。昔、ルースベネディクトの「菊と刀」を読んで驚嘆しました。訪日もしなたことがない、フィールドワークもしたことがない研究者にどうして日本民族の心性がわかるのか不思議でした。このフォーチュン誌の内容も巻末に一部翻訳されています。これもまたなかなか正しい分析だと思いました。これだけの調査研究をしている国と闘って勝てるわけがありません。「鬼畜米英」「ストライクは敵性言語だ!」なんて言っているようでは、大人と子供の喧嘩でした。当時の知識人は、日清日露戦争で傲慢になっていたのでしょう。へつらうことはないが謙虚な姿勢を失っていたとしか思えません。寺島氏の解説に痛恨の感情が溢れているとう風に感じました。現代の北朝鮮も日本の歴史を学ぶべきだと思いました。滅びるぞ! と忠告したいです。