出世と肩書き

「出世と肩書き」を読みました 。産経新聞の女性経済記者の書いた本です。一般企業の話ではなく、官僚の肩書きや出世の道筋を主に解説しています。「事務次官」という肩書きが各省の社長みたいなものでトップ出世であることを改めて理解しました。嵐の櫻井パパはすごく偉いことがわかりました。次官退官後の天下りの実態もよくわかりました。「塞翁が馬」です。CEOや相談役、顧問、他の民間の肩書きにも言及しています。ライフネット生命の出口氏の名刺には「創業者」とありました。これも最近よく使われるそうです。大河ドラマ平清盛は高い叙位で喜んでいました。戦後は叙位は物故者に贈ることを知りました。村山内閣の五十嵐官房長官の「位記」(表彰状みたいなもの)を旭川「ほくみん」の事務所に飾ってありました。写真を撮っておけばよかったです。従三位でした。備忘します。

出世と肩書 (新潮新書)

出世と肩書 (新潮新書)

「再就職先」「副業」としての社外取締役の希望者も増え、日本社外取締役協会など、企業と希望者のマッチングを行う組織もできている。同業界への登録者は2,016年末時点で約100人、だれでもオーケーというわけではなく、面接をし、経歴や実績を見て登録者を決めているという。登録者の大半が弁護士、司法書士公認会計士だ。競争が激しく仕事のない弁護士らが副業として社外取締役を志向している状況がある。ページ25
大手銀行のトップは頭取という肩書きを使う。もとは雅楽で合奏するときに「音頭を取る」役目をする首席演奏者を指す言葉で、次第に「集団のかしら」を指すようになった。ページ31
政治家から見て官僚は、実際の事務を司る「事務方」と呼ばれ、その官僚機構のトップが、内閣から派遣される大臣を支えるという意味もあって「事務次官」と呼ばれている。文字通り事務を統括する最高責任者だ。ページ81
幕僚長は、軍隊における総元締めの元帥に近い。自衛隊には、外国の軍隊の統合参謀本部に該当する統合幕僚監部があり、そのトップに当たる。その傘下に陸上、海上、航空の各自衛隊のトップの幕僚長3人がいる。ページ119
大使は正確には特命全権大使と呼ばれる。日本と国交のある国の人に大使館が置かれ、日本を代表して相手国との交渉や在留邦人の保護に当たる。ナンバーツーが公使でその下に外交事務に従事する書記官が一等、二等、三等まで置かれる。一方首都以外の主要都市には領事館が置かれ、トップが総領事、在留邦人の保護などが主な仕事で外交については大使館に一本化されている。ページ124
主要官庁には省の名前がつく審議官が置かれている。企業で言えば副社長が専務といったところ。ページ136
自民党では党三役と総称されるある意味で非常に重要なポストがある。選挙対策など全ての実務を仕切る幹事長、政策を求める政務調査会の会長、(政調会長)、議会議決機関である総務会の会長の三つ。ページ181
叙位は、幕末に始まった叙勲よりはるかに古い歴史を持つ。勲章制度が変遷を遂げてきたのに対し、日本の歴史や文化に関わる固有の制度として脈々と続いてきた叙位である。国家や公共に対し功績のある人が死亡した際に、生涯の功績を称え追悼の意を表する意味合いがある。現在は正一位従一位…と続く正従の16段階があり、没後者を対象に大臣はじめ公職について功績を残した人に叙されている。ページ202