ザ・セカンド・マシンエイジ

「ザ・セカンド・マシンエイジ」を読みました。2013年頃の著作で、今では少し古いと感じました。ほぼ本書の予想通りにセカンド・マシン・エイジは進行しています。「限界費用ゼロ社会」より社会の見方が付け焼き刃のように思います。税制の改革や教育の充実では現実の変化に追いつきません。資本主義経済の根本が崩れ去ろうとしている時に。備忘します。

ザ・セカンド・マシン・エイジ

ザ・セカンド・マシン・エイジ

そして今人類は、セカンド・マシン・エイジを迎えている。コンピュータをはじめとするデジタル機器は、目的に向けて環境を制御する頭脳の能力を発揮する。かつて蒸気汽関が肉体労働において実現したことを、知的労働において実現すると言えるだろう。ページ25
蒸気機関や電気と違うのは、セカンド・マシン・エイジのテクノロジーは、デジタル化の進行とともに指数関数的なペースで進歩し続けることだ。それに伴い組み合わせの型のイノベーションが生まれるチャンスも増え続ける。ページ175
なぜ今日では、勝者総取り市場が増えてきたのだろうか。原因は、製造・流通技術の変化にあると考えられる。とりわけ重要なのは次の3点だ。①デジタル化 ②通信輸送技術の進歩 ③ネットワーク効果と標準化。ページ252
私たちは、コンピュータやロボットが近い将来に発想力、幅広いパターン認識能力、複雑なコミュニケーション能力を身に付けることはあるまいと考えている。またモラベックのパラドックスが完璧に克服される可能性は低いとも考えている。だがそれは、絶対と言い切れることが1つもないということだ。読者と同じく私たちも、SFが一気に現実になる事態に何度となく驚かされてきた。ページ324
人々が何よりも切望するのは、良い仕事に就くことだ。それ以外のことは二の次3の次である。おそらく世界中どこでも人々が望むのは退屈、悪徳、困窮から逃れ、働いて熟達、自立、目的を手に入れることなのだろう。ページ374
負の所得税は、最低所得補償と就労のインセンティブを組み合わせた措置と言える。所得が分岐点すなわち課税最低限度を下回って負の所得税が払われても、公的扶助受ける場合とは異なり、自分で稼いで所得を増やすことができる。これなら、たとえ賃金が少なくても、働きたい、働き続けたい、という意欲がわことだろう。ページ378
コンピューターが人間より秀でた瞬間に、人間が役立たずになると考えるのは間違いである。マシンに対抗するのではなく、マシンとペアを組むなら、もっといろいろなことができる。ページ388