ぐずぐずの理由

「ぐずぐずの理由」を読みました。言葉は奥が深い。子供の頃から自然な会話で覚えた言葉や教育によって施された言葉、さらに読書や仕事で知った言葉の積み重ねで、私たちは受信し発信しています。この本のオノマトペ例を読み感心しました。「ぎりぎり」と「きりきり」は違います。濁音のあるなしで意味が変わるわけです。言葉の不思議さを実感しました。備忘します。

「ぐずぐず」の理由 (角川選書)

「ぐずぐず」の理由 (角川選書)

言語学ではオノマトペと名付けられている。…意味される事物との音の類似によって語を形成することを意味する。日本語訳では、このオノマトペ、「ワンワン」「ゲラゲラ」といった擬声語、「カリカリ」「ゴロゴロ」といった擬音語、「ムカムカ」「べとべと」といった擬態語、さらには「イライラ」「ハラハラ」といった擬情語などに分類されることがある。 ページ8
…近頃の若い人たちがよく口にする言葉に「ヤバい」というのがある。言うまでもなく、不都合なこと、けしからんこと、危険なことを指す隠語の「やば」から来ているのだが、このところは意味が随分ずれてきて、「おいしい」という意味で、あるいは「すごい」という意味でこの表現を使う。ものがおいしすぎて、行動やスタイルがまぶしすぎて、圧倒され、とても平穏ではいられないという意味で、危ないと感じ、「ヤバい」と口にするのだろう。ページ211
オノマトペには物事のさまを音で写したものと、すでにある実詞を語基として、それを音感やリズム感に従って変容させるものとの2つのタイプがあると、さしあたっていうことができる。ページ212