学校が元気になる

「学校が元気になる」を読みました。NHK課外授業ようこそ先輩」のチーフ・プロデューサー坂上達夫氏の著作です。坂上氏は私の高校の同級生です。私の結婚式の司会もやってくれました。高校時代、田園調布の彼の家で何度もごちそうになりました。まことに美しいお母様でした。頭脳明晰、高校時代から老成の観ある男でした。さて、彼の著作です。2001年の刊行ですから、彼、46歳の時です。現役バリバリ。ドキドキの読書でした。彼のよいところが随所にあらわれていました。心根の優しい所、全体を見る冷徹な所、客観的にものを見る所。読後、嬉しくなりました。さすがだね! 年賀状のやりとりは続いていますが、疎遠になっていることを反省しました。備忘します。

学校が元気になる―NHK課外授業ようこそ先輩制作ノート

学校が元気になる―NHK課外授業ようこそ先輩制作ノート

…工藤さんが皆に伝えた取材のコツは6つありました。箇条書きにしてみると、①相手を名前で呼ぶ ②返事はきちんと「はい」 ③地味な洋服で ④敬語を使う ⑤お土産を持参する。⑥だめなときはあきらめる このように整理してみると、番組制作という、ある意味では工藤さんと近い立場で仕事している私にとっても、自らを振り返って反省させられる項目ばかりです。ページ29
古田さんの事業に接してつくづく感じたのは、スポーツでも一流の選手を支えるのは知性であり、しかもそれは刻一刻と変化するものであるということ。そして、授業の随所で見られた工夫は、学校の先生も顔負けの仕掛けで、うなることばかりでした。ページ64
実のところ、こうして授業の展開の解釈めいたものを書いて恥ずかしいところもないわけではありません。ただ私たち制作スタッフも、毎回その道の第一人者の前では、子供たちと同じ素人で、感性の部分ではむしろ太刀打ちできない。小学生が直感的に理解してしまうことを、録音テープを見直して、その意味がようやく腑に落ちる、ということも、しばしばです。ページ90
どんな番組を作るのでも一緒ですが、大切なのは、最初の3分間に強烈なインパクトで、視聴者の心を掴んでしまうことです。事情は、実は普段の学校の授業でも同じではないかと思います。子供というのは、最も辛辣な視聴者で、理由のない退屈に我慢してくれることほど寛大ではありません。ページ97
たくさんの方々にこの番組に出ていただいてきて、共通して言えるのは、独創的で優れた仕事の源の1つは、それがどんなものであれ、子供時代の鮮明な記憶にありそうだ、ということです。ページ131
「課外授業ようこそ先生先輩」は、本当は大人の頭をリストラする番組である、というのがスタート以来の私の持論だったのですが、はからずもそれを自ら実践することになりました。ページ149