最強の世界史

「最強の世界史」を読みました。蓮舫議員の二重国籍問題を指摘した八幡和郎氏の著作です。昨日は我が国の近現代史を勉強しましたが、世界の歴史を知らなければ片手落ちだと思い読んでみました。世界史を通観するにはもっと大部の本を読み尽くす必要がありますが、知識の集積よりも、現在の視点に立って、中国の台頭や北朝鮮の暴挙、トランプ大統領の出現などを読み解くことが必要です。その行く末も予想できます。賢者は歴史に学ぶと言いますが、現在の世界は既視感に溢れています。備忘します。

世界と日本がわかる 最強の世界史 (扶桑社新書)

世界と日本がわかる 最強の世界史 (扶桑社新書)

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未開地域で、簡単に中世的な社会を作れるすぐれものなのです。その意味で、イスラム教の成立と発展は世界史的な意味が非常に大きいし、一方では、中世社会の温存につながる宿命でもあるのです。ページ61
毛沢東は、朱元璋洪武帝)に似てると言われます。冷酷だと言われる功臣たちへの措置にしても、現代中国では、腐敗への厳しい姿勢とみることが多いようです。…永楽帝はまさに習近平のような皇帝でした。傑出した能力で皇帝独裁体制や大胆な対外拡大路線を成功させました。しかし贅沢な宮廷生活や海外遠征は金食い虫になって国力を削ぎました。ページ140
世界史に転機をもたらしたのは、間違いなくコロンブスの「発見」です。コロンブスは1492年10月12日にバハマサンサルバドルの島を発見し、ドミニカのサントドミンゴを本拠地に植民地支配を始めましたが、世界史を変える意味を持ってくるのは、コルテスとピサロがそれぞれアステカ帝国インカ帝国を征服したことによるものです。ページ150
ルイ14世は…アルザスやロレーヌ、さらにはライン川流域においても辛抱強く、エクサゴン(六角形の国土)の安全なふたを完成していきましたが、希代の建築家であったボーバンが築いた星形要塞は一世を風靡し、函館の五稜郭もその手法によっています。ページ177
ナポレオンの足跡で、特に評価すべきことは、法典を制定し、官僚制度や賞勲制度を作り上げ、司法制度を定着させ、学校制度を整備し、メートル法など度量を衡統一し、ナポレオン金貨の鋳造など金融制度を確立したことです。ページ202
ともかく、第一次世界大戦で英仏米という先進民主主義連合国の一員だった日本が、よりにもよって、ドイツやイタリアのような異端的な際物国家や共産主義ソ連当局組むなど狂気の沙汰でした。ページ269
いずれにせよ20世紀の戦争はもっぱらと言って良いほど化石燃料の取り合いが原因です。その意味では、原発よりよほど危険で関連コストの高いのではないかと私は思います。ページ300
中国では過去にも漢の武帝、明の永楽帝、清の乾隆帝のように、王朝が始まって数十年したあたりで、急に膨張主義になって国威発揚による国民の不満そらしを試みた皇帝がいましたが、それに似ていると思います。あるいは、大日本帝国大東亜共栄圏とか言って西太平洋と東アジアを自分の勢力と言い出したのと「一帯一路」は非常に似ています。ページ308