誰が日本の労働力を支えるのか

「誰が日本の労働力を支えるのか」を読みました。日本は人口減が深刻で、今後の対応によっては国が滅びると警告しています。対応策は、外国人労働力の活用と人工知能だと論じています。素敵なレポートでよくまとまっていますが、イマイチ、インパクトの欠けます。野村総研の研究員の本らしいです。確かな情報からの推論ですが、不確定要素が多すぎて2030年にどうなるかは、わからないというのが印象です。他人より少し早めに対応するのが生きるコツかもしれません。備忘します。

誰が日本の労働力を支えるのか?

誰が日本の労働力を支えるのか?

長く世界10位の人口数だった日本は、2015年にメキシコに抜かれて11位、2030年までにはフィリピンとエチオピアに抜かれると予想されている。ページ15
日本の働く場所としての魅力は60以下51カ国中52。…日本は、企業が従業員への教育研修を優先事項としていることや、サービス業における年収やボーナスが高水準であることとがプラスに評価されていた反面、ビジネスに必要な語学力については最下位であり、国際水準で求められるマネジメント能力を持つシニアマネージャーの数が極めて少ないなど、海外から見た日本はビジネスのやりにくさのマイナス面が浮き彫りとなる結果となっている。ページ52
派遣社員比率が高い仕事は、企業から見ればアウトソーシング可能な量の割合が高いことであり、アウトソーシングできるということは、業務を定義し定型化することがしやすいことである。従って今回の分析において、比較的代替え可能性が高くなっていると考えられ、さらに言えば、これらの状況ではすでに自動化に向けた様々な取り組みが進みつつあると言える。ページ104
多くの人が従事している事務職で、コンピューターが化可能確率が比較的高い職業として挙げられた。いわゆるホワイトカラー職種であり、多くの人が該当するオフィスワークについて、業務の機械化が進むことによる社会的インパクトは大きい。ページ105
確実に発生すると考えられる変化であって、かつ影響が大きいと評価された変化が抽出された。①日本全体の人口動向、②外国人労働力移民、③ロボットAI…これを将来シナリオを描く際に確実なトレンドとして扱うこととした。ページ119
結論から述べると、こうした不安(ロボットに職を奪われる)を抱く必要ない、とわれわれは考えている。理由は大きく2つで、完全に人間と同じ人工知能もしくはロボットの実現見通しが立っていないこと、その前提で、有史以来、新しい技術の周辺に常に新しい仕事、人の役割が生まれてきたこと、にある。ページ171
…これからは、社会全体、世代を超えてのテクノロジーへの対応に身を任せるわけにはいかない。一人一人がその唯一無二の人生の中で、テクノロジーによる変化に立ち向かわなければならなくなるのである。ページ180