ビジネス・フォー・パンクス

「ビジネス・フォー・パンクス」を読みました。 英国のクラフトビールの会社(ブリュードッグ)が短期間でで急成長を遂げました。その会社の創業者が語る経営の本です。実に激しい言葉で書かれています。「人のアドバイスは無視しろ」などと言っています。しかし、結論は単純で、示唆に富んだ内容になっています。めげそうになる私を鼓舞してくれました。「好きなこと」だけしかやらないことに確信が持てました。解説の楠木建氏と同じような感想を持ったので何だか嬉しくなりました。備忘します。

ビジネス・フォー・パンクス

ビジネス・フォー・パンクス

圧倒的な確率で企業は失敗に終わる。状況は最初から不利だ。スタートアップの80パーセントが立ち上げから1年半で潰れる。 …最初の1年半をしぶとく乗り切ったとしよう。それでも会社が長期的な軌道に乗る可能性はせいぜい20分の1だ。ページ19
自分がこれからすることを徹底的に絞り込み、まだ市場が存在しない場所に焦点を当てる必要がある。それができれば、全く新しいカテゴリーを満たす絶好のチャンスが来る。ページ34
21世紀においては、ぶれないこと、魅力的であること、オープンであること、誠実であること、統一化を示すことができてようやく、ブランド構築の第一歩を踏み出せる。ページ148
一番まずいのは、他人がどう思うか気にしてしまうことだ。何を言われようが、何に逆らおうが、どんな評価を受けようがかまうことはない。とにかく楽しめばいい。ページ178
使命を掲げて人を惹きつけるためには、本を読んで、自分の使命について集中して学び、それを伝えよう。商品ではなく、情報を売るつもりでいよう。まずは顧客への情報提供で競争相手を上回ることだ。ページ187
新時代の破壊的パンクのためのセールス論。販売活動については、三つだけシンプルなルールを知っておけばいい。①商品に集中する ②隠さずに誠実に ③価格競争しない 以上で本書で一番短い章を終わる。ページ219
今成功してる企業の中に、この3つを抜きに成り立っているところは一社もない。どれも一言だが、永遠の真理であり、全てが凝縮されている。次の三つがそれだ。①企業文化 ②核となる商品の質 ③粗利 全てを頑丈な柱にしなければ、…事業は泡と消える。ページ226
成功できるという自信を持つことと、自分をコントロールし、自らが置かれている過酷な現実に向き合うことは、両立の難しい組み合わせだ。軽薄な楽観主義と冷酷な現実主義を両立させなければならないのだから。ページ327
物分かりの良さを徹底的に捨て、強い意志で前に進もう。全力を尽くし、固い決意の持つのと同じだけ、情熱を持ち、自分を貫くことも必要だ。自分が信じることに全てをかけなければならない。ページ373
どうすれば普通の人々が高水準の努力を持続できるか…僕の考える解決策は1つしかない、それは努力の「娯楽化」という発想の転換である。客観的に見れば大変な努力投入を続けている。しかし当の本人にはそれが理屈抜きで好きなので、主観的には全く「努力」だとは思っていない。むしろ楽しんでいる。考えてみれば、それが「努力」かどうかは主観的認識の問題だ。…これしかないというのが僕の結論である。ページ384