今を生かされて

「今を生かされて」を読みました。副題は夫婦ともにがんに侵され、そこから見えてきたもの」です。函館の本間さんからいただきました。先日、ユッキーさんの個展が「茶廊法邑」(札幌)で開催されました。そのギャラリーのご女主人の著作です。一気呵成に読み終えました。目の不自由なご主人と義妹、ホームで死を迎える義母、そして古希の頃のがん発見。手術、治療を淡々と語っています。走り続けて、はたと死を考えてみると…深い闇とわずかな希望が見えてくる、そんな内容です。心乱れました。父を残して先に逝った母は心穏やかではなかったろうと慨嘆しました。私のこれまでの生き方は「美しいか」と自らに問いかけました。備忘します。

今を生かされて

今を生かされて

「がん哲学外来」とは、対話が主で冒頭の15分くらいは、どうしてここに来たのか? がんになった何を悩んでるのか?…患者の声に耳を傾けいっしょに考える。対話することで悩みに寄り添っていく。患者の悩みの3分の1は治療法、3分の2は家族の人間関係。ページ56
困ったとき、そっと誰かが助けてくれたことはもちろん、この年でもまだやれる、やろうと毎日自分を励ましながら、1日1日歩いてきた。心も体も 弱いとこだらけ、今日一日をなんとか、今日一日をなんとか、振り向くと、こんなに、こんなに歩いてきたではないか。ページ110
「父ちゃん食べたいものある」「チーズあったっけ? 明治のチョコは? 話しながら動く。ページ114
患者はほとんどが65歳以上。ますます高齢者が増えて、駐車場、待合室は人が溢れ、長い時間待つことが多くなってくる。日本の社会は、心身ともに病んでいる人たちであふれている。医者、看護師をはじめ、周りの環境が猛スピードで変わっていく様子を考えざるを得ないところまで来ていることを改めて思いながら暗い道を慎重に運転した。ページ122
年を重ねても、まだまだ元気で何かに挑戦している姿を見せることにより、若い人たちに安心と希望を与え続ける、そんなお年寄りになりたい。ページ128