火星に住むつもりかい?

「火星に住むつもりかい?」を読みました。ディストピア小説です。「1984年」と同じように監視社会、チクリ社会の未来を暗示した小説です。仙台が監視地区に指定され、安全警察という組織が住民の告発を集めて、無実の人間を処刑する物語です。魔女狩りの現代版を描写しています。処刑をのぞむのは民衆です。拷問の場面はリアルで途中読むのをやめようかと思いました。「正義の味方」ヒーローも普通の人です。結局、世は事もなしということになります。正義となにか? 権力掌握とはなにか? 人間行動の本質は何か? 解答は読者に委ねられています。

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)