NOをかならずYESに変える技術

「NOをかならずYESに変える技術」を読みました。人生の先輩から推薦された本です。2013年刊、定価1400円です。ただし絶版で、アマゾンで3783円でした。「話す」よりも「聞く」ことの重要性を繰り返し述べています。心理療法士やカウンセラーの心得に近いものがあります。耳が痛いです。交渉は「一人勝ち」するより「ウィンウィン」がベスト。納得できます。交渉相手には友人と同じように接する。大いに納得できます。その上で交渉の技術(テクニック)を解説しています。すでに知っていることが多いのですが、よくまとまっています。ネクタイを赤にするとか、自分のテリトリーで交渉するとか、簡単に実践できることもあります。しかし話し合いの中での対応術は、とても難しいと思います。新しい知見としては、「長い交渉は無駄」「プレゼンにパワポを使わない、原稿を書かない」「3点説明は、最後に重要な事項説明」です。再刊になってから買いましょう、高すぎます!備忘します。

最強交渉人のNOをかならずYESに変える技術

最強交渉人のNOをかならずYESに変える技術

黙って相手の言うことをじっくりと聴く。時折先方の中にただネガティブに反応する。首をひねってみたり、「なるほどそうかなぁ」など、疑問を込めた言葉を貸してみます。ただし、「それは違う」といった断定的な否定の反応は交渉の場が乱れるので避けてください。ページ29
72時間(3日)かけて合意に至らないことは、2週間かけようが2か月かけようが、2年かけようが、解決できません。ページ31
交渉に臨む際に押さえておきたいことの1つに、相手に自分の本当のタイムリミット知られないようにするというものがあります。ページ33
例えば「自分が相手企業の責任者なら、どういう行動とるだろうか?」と想像してみてください。違った観点から物事を捉えることができるはずです。その結果、お互いにとって有効な答えや選択肢が見えてくることがあります。ページ41
自分が選択したことが新聞紙の一面記事やテレビニュースのトップストーリーになると想像し、その時に自分自身が心穏やかでいられたら正しい選択だと判断するという方法です。ページ43
自分が慣れ親しんでいる場所なら、落ち着いて交渉に集中できます。冒頭から精神的に優位に立てまし、時間的なことや席の配置など、いろいろなところでリーダーシップをとることもできます。ページ83
仮に初回交渉から相手のテリトリーに赴くことになっても、窓を背に座ることで、自分に有利な状況を作ることができます。ページ85
例えば、相手が言葉巧みに一方的に見解や立場をこちらに側に押し付けてきたとします。その時に「おっしゃってることがわかりません(理解できません)」「ちょっと理解できないので教えてください」などという言葉を使ってみてください。この作戦は相手が長く話した後に行うと驚くほど効果が出ます。ページ93
ちなみに私が逆の立場なら、相手に「わからない」と言われたら、ため息をつきながら「そうですか…」とにっこり笑って別の日時の設定をして作戦を練り直すか、どーしてもその日に続けたいのであれば、休憩を提案して頭を冷やし、別のを考えることを選びます。ページ94 作戦
あなたがスピーチをプレゼンテーション行う際には、ぜひ男性なら赤のネクタイ、女性なら赤のベルトやブローチ、スカーフなどで自信を醸し出しましょう。ページ113
青の場合は、落ち着き沈着冷静で間違えないといったイメージを与えることができます。データを駆使しつつこちらの見解や主張が正しいということを相手に抱かせたい時に最適です。ページ114
交渉の妥結を図るクロージングには、青も効果的ですが、緑や黄緑も効果的です。ページ115
第一印象決める20秒間でやるべきこと。相手と目があった瞬間笑顔になる。(国際的な場なら)握手をする。「こんにちは、お元気ですか?」相手に最近起こったエピソードをひとつだけ入れてる。ページ119
いくつか主だったポイントがある場合、それらを一気に説明するのではなく、ポイントを1つ説明します。そして、次のポイントに移る前に「ここまではどうでしょうか?」「大丈夫ですね」と相手の理解を軽く確認して、それから次のポイントの説明につくという方策をとってみてください。ページ139
私自身が努力しているのは、今日はこのことについてお話をしますと申し上げた上で、結論としてはXXではないかと思っています。それをご説明するためにこれから3つの点についてお話したいと思いますという流れで、交渉のオープニングを始めるようにしています。ページ165
ここでのポイントは、「あくまでも理論上は」という一言です。この一言を織り混ぜることで、意識のレベルで、特段専門家の名前を言わなくとも、お墨付きといったような印象を与えます。ページ168
多くの失敗を重ねた結果、私がたどり着いた轡、シンプル(簡潔に)、コンプリート(完全・網羅)、そしてフロー(流れ)をしっかり抑えるということです。ページ171
私の場合は、要素の数は3つまでで、必ず最も重要でないことから始めて、見つめを最重要課題としてあげるスタイルを取ります。ページ173
発表の際は、最小限のメモを持参するにとどめ、参加者の目を見ながら、退屈していないか、理解できているかを確認しながら自分の言葉で語るようにしてください。ページ175
私が考える「勝てるプレゼン」は、パワーポイントは使わない(使うなら参考資料としてあとで配布する)、スピーチの原稿は一言一句書かないという2点です。ページ177
不利な状況に陥ったら、場所と時間を変える、むやみに話さない、三日間で一区切りつける。早めに行って、早めに手を打つことが大切。ページ192
「言い切り型」「考えます」「思います」の表現については、今までよりも意識して使ってみてください。思いのほか威力があります。ページ201
落としどころに持っていく過程で心がけるべきことは、必ず意見の類似点を際立たせることです。ページ227
もしあなたが「なかなかコミュニケーションがうまくいかない」「やっぱり交渉下手だ」と自覚しているなら、ぜひ相手の立場になって物事を捉え、目的を見直してみてください。どのような目的を目指すことが、お互いのために良いのかが見えてくるはずです。そしてぜひ、交渉しなければならない相手を友人だと思って、話し合いに臨んでみてください。これまでとは違う結果得られるはずです。ページ234