ファクトフルネス

「ファクトフルネス」を読みました。本書を推薦してくれた児島宏行さんに感謝します。衝撃的な本でした。冒頭に質問項目があります。その質問に対しての私の回答は、ほとんどが誤答でした。例えば「電気を使える人が全人類で何%いるか」私は50パーセント程度だと思ってましたが、現実は80パーセントの人が使えているそうです。世界は私が思っている以上に豊かになっています。また人類の暮らしぶりを分析するのに「金持ち」と「貧乏」の二つで考えるのではなく、所得階層を4つのレベルで分けると世界が、よく理解できると述べています。得心しました。本書を読んで、私が現在の世界を誤って認識していることがよくわかりました。恥ずかしいです。これからは事実に基づいて世界を正見ることを心がけます。ついでに言うと私のこれまでのビジネス上の決断はほぼ「思い込み 」だったのではないかと深く反省しました。備忘します。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

時を重ねるごとに少しずつ、世界は良くなっている。何もかもが毎年改善するわけではないし、課題は山積みだ。だが、人類が大いなる進歩を遂げたのは間違いない。これが、事実に基づく社会の見方だ。ページ21
ただの勘違いでなくとんでもない勘違いというのは、それがとんでもなく的外れな世界の見方につながる。特に、分断本能による勘違いはタチが悪い。「金持ち」対「貧乏」という、世界を間違った枠組みで分けてしまうと、頭の中にある世界のイメージが隅々まで歪められてしまうからだ。ページ31
ドラマチック過ぎる「分断された世界」の見方の代わりに、(人類を経済的に)4つのレベルで考える。これこそが、この本で伝授する事実に基づいた思考法の1つ目にしてして最も大事なポイントだ。意外と簡単だっただろう?ページ58
世界の今を理解するには、「悪い」と「良くなっている」が両立することを忘れないようにしよう。ページ90
悪いニュースの方が広まりやすいと心得ておけば、毎日ニュースを見るたびに絶望しないですむ。大人も子供も是非この考え方を身に付けてほしい。ページ91
貧しい子供助けると、「人口はひたすら増え続ける」という主張は、正しいようで正しくない。実際は「貧しい子供を助けないと、人口はひたすら増え続ける」。多くの家庭が極度の貧困にくらし続けると、その子供たちによって人口はさらに増えてしまう。人口増を止める確実な方法は1つしかない。極度の貧困をなくし、教育と避妊具を広めることだ。ページ116
現在、世界が危険だという趣旨のニュースは、昔よりも効果的に配信されるようになった。一方で、現在の世界は、人類史上類を見ないほど平和で安全だ。ページ137
恐怖本能は、正しい使い方をすれば役立つこともある。しかし、世界を理解するには全く役に立たない。恐ろしいが、起きる可能性が低いことに注目しすぎると、ほんとうに危険なことを見逃してしまう。ページ158
アメリカやヨーロッパに暮らす人々は、世界の人口の大半がアジアにいることを理解するべきだ。西欧諸国の経済力は80パーセントではなく、20パーセントに近づきつつある。けれども、古き良き時代の記憶が強すぎると、この事実がなかなか受け入れられない。ページ179
同じ国の中にも大きな違いがあり、国が違っても所得が同じなら、文化や宗教にかかわらず共通点は多い。そこから、国によるステレオタイプには全く意味のないことがわかる。ページ204
むしろ、自分が肩入れしている考え方の弱みをいつも探したほうがいい。これは自分の専門分野でも当てはまる。自分の意見に合わない新しい情報や、専門以外の情報を進んで仕入れよう。自分に賛成してくれる人ばかりと話したり、自分の考えを裏付けるの例を集めたりするより、意見が合わない人や反対してくれる人に会い、自分と違う考えを取り入れよう。それが世界を理解する素晴らしいヒントになる。ページ241
民主主義でなければ経済は成長しないし、国民の健康も向上しないという説は、現実とはかけ離れている。民主主義を目指すのは構わない。だが、ほかのさまざまな目標を達成するのに、民主主義が最も良い手段だとは言えない。ページ258
数字がなくては世界は分からないし、数字だけでも世界は理解できない。政府がなければ国が運営できないけれど、政府が全ての問題を解決できるわけではない。いつも民間に任せたほうがいいわけでもなければ、いつも公的機関に任せるほうがいいわけでもない。1つの指標が良い社会であることを示しているからといって、他のすべての面がいいわけではない。どちらか一方が正しくて、もう1つは必ず間違っているわけではない。どちらもいいし、ケースバイケースなのだ。ページ259
物事がうまくいってる時にも、「犯人探し本能」は湧き上がる。誰かのせいにしたい気持ちは、責める時も褒める時も同じものなのだ。物事がうまくいくと、誰か1人の功績にしたり、単純な理由見つけたくなってしまう。でも、ここでも大抵の場合、物事はるかに複雑なのだ。ページ265
物事がうまくいかないときには、犯人を探すよりシステムを見直したほうがいいと訴えてきた。では物事がうまくいったときはどうだろう? そんな時には社会基盤とテクノロジーという2種類のシステムのおかげだと思ったほうがいい。ページ278
私が一番心配している5つのリスクは、感染症の世界的な流行、金融危機、世界大戦、地球温暖化、そして極度の貧困だ。なぜこの5つを特に心配しているかといえば、実際に起きる可能性が高いからだ。ページ301
私は、何が一番深刻な問題かが分かっていれば安心できる。ここに挙げた5つの大きなリスクこそ、私たちが今力を注がなければならない問題だ。この問題に取り組むには、客観的で独立したデーターが欠かせない。グローバルな協調とリソースの提供も必要だ。そして小さな歩みを重ね、計測と評価を繰り返しながら進んでいくしかない。過激な行動に出てはいけない。どんな社会貢献に携わっていても、すべての活動家はこの5つのリスクを肝に銘じておいたほうがいい。このリスクに関しては狼少年になってはいけない。ページ306
謙虚であるということは、本能を抑えて、事実を正しく見ることがどれほど難しいかに気づくことだ。自分の知識が限られていることを認めることだ。堂々と「知りません」といえることだ。新しい事実を発見したら、喜んで意見を変えられることだ。謙虚になると、心が楽になる。何もかも知っていなくちゃならないというプレッシャーがなくなるし、いつも自分の意見を弁護しなければと感じなくていい。ページ316
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