トコトンやさしいVRの本

「トコトンやさしいVRの本」を読みました。基礎的な情報を知りたくて読みました。テレビ会議は、5G利用により格段の発展があるだろうと予想していましたが、さにあらず、VR技術を使って、動いている部分だけ伝送すれば、今のスピードでも十分、リアルな会議ができることに驚きました。もう少しでエンターテイメントの世界から革命が起きるでしょう。備忘します。

バーチャルリアリティーVR)と言う言葉が最初に使われたのは1989年に遡ります。その年の6月7日、アメリカサンフランシスコで開催された展示会で、RB2と言う奇妙なシステムが展示されました。作ったのは…Jaron Lanier氏こそがVRの父」と呼ばれる人物です。ページ10
VRのシステムを作るためにはどのような技術が必要なのか考えてみましょう。①ディスプレイ… ②入力システム… ③シミュレーション…最も重要なのはディスプレイ、入力システム、シミュレーションをつなぐ情報のループを円滑に回すこと。… VR技術のエッセンスは、このループを最も適切に設計するところにあると言えるのです。ページ12
ARとは,「Augumented Reality」の頭文字をとったもので「拡張現実」と訳されます。…リアルな世界とバーチャルな世界との中間的存在で、従来対立概念として考えられていたバーチャルとリアルの関係に新しい視点を与える考え方だといえるでしょう。ページ20
VRにおける三要素の1つである臨場性は、視野的な臨場感に強く依存しています。テレビや映画などのディスプレイが我々に大型化し、ワイド化しているのは、視野角を確保し臨場感を向上させるためです。ただし映画館では水辺の視野角30度と言うのが基準とされ、大型テレビも26から40度程度の角度で見るのが最適とされています。…一般的なHMD({ヘッドマウントディスプレー)は、第一世代の時代は中心視を覆える程度でしたが、VR元年と呼ばれるきっかけになった安価な広視野角HMDは、100~110度の視野角を実現しています。人間の視野角を全て覆うことで、現実世界から切り離して完全にバーチャルの世界に没入させることができます。ページ42
VRは、コンピューターにより作られた世界にユーザ自身が存在するかのように行動できます。「テレイグジスタンス(遠隔存在)」とは、VRと遠隔操作ロボットを組み合わせることで、ユーザが遠隔操作ロボットに変身し、離れた場所に存在するかのように行動することを可能とし、「テレプレゼンス(遠隔臨場)」とも呼ばれています。ページ84
通常、テレビ会議が使われるのは、参加者がその場にいない等の消極的理由によるものがほとんどです。つまり、仕方がないから行うものなのですが、メディエイティッド・テレプレゼンスは、もっと積極的な意味を持ちます。…超臨場感とは、バーチャルがリアルを超える可能性がある、と言う野心を含んだ言葉だということができるでしょう。ページ86
なぜ「VR酔い」が起こるのでしょうか。根本的な発生メカニズムは完全には解明されていません。現状では、視野誘導性自己移動感覚(視野ペクション)による感覚不一致説が有力とされています。視野ペクションとは、実際には静止してる人間が、視覚情報によって移動してるような感覚が引き起こされてしまう現象です。この視野情報と体性感覚、前庭感覚の不一致が「酔い」を引き起こすという説です。ページ144