生き方

「生き方」を読みました。京セラ、稲盛和夫氏の本です。長年、書棚に飾ってありました。読むと「叱られる」と予想していたからです。実際は、もうすでに私によくわかっていることを平易な言葉で書き連ねてありました。どうすれば良いかわかっていても、できないのが凡人です。若い人には、たぶん理解できないと思います。長野の伊奈食品の越塚会長も結核でした。「大病するか、監獄にはいるか、倒産するか」、そういう経験をした人しか大成功しないのかもしれません。備忘します。

生き方

生き方

  • 作者:稲盛和夫
  • 発売日: 2004/07/22
  • メディア: 単行本

すなわち、嘘をついてはいけない、人に迷惑をかけてはいけない、正直であれ、欲張ってはならない、自分のことばかりを考えてはならないなど、誰もが子供の頃、親や先生から教わった、そして大人になるにつれて忘れてしまう、単純な規範を、そのまま形の心にすえ、守るべき(会社の)判断基準としたのです。ページ19
物事成就の母体は強烈な願望である。あまり科学的とは言えない言葉です。…しかし思い続けて、考え抜いていると、実際に結末が見えてくるということが起こるものです。ページ44
ですから自分が成功した姿を思い描けると言う事は、その人にとって成功の確率が極めて高いと言うことなのです。目をつぶって成功した姿を想像してみたとき、その姿がうまくイメージできているのなら、それは必ず実現し、成就すると言うことです。ページ50
昨日の努力に少しの工夫と改良を上乗せして、今日は昨日よりも僅かながらでも前進する。その、より良くしようとする姿勢大事なことが、成功に近づく秘訣なのです。ページ68
私たちはいくつになっても夢を語り、明るい未来の姿をかける人間でありたいものです。夢を抱けない人には想像や成功がもたらされる事はありませんし、人間的な成長もありません。なぜなら、夢を描き、創意工夫を重ね、ひたむきに努力を重ねていくことを通じて、人格は磨かれていくからです。そういう意味で、夢や想いと言うのは人生のジャンプ台である、そのことを強調しておきたいと思います。ページ79
つまり、原理原則と言うものは正しさや強さのありがちなものでもあります。だからこそ、いつも反省する心を忘れず、自分の行いを自制自戒すること。また、そのことさえも生きる源で、原則に組み入れていくことが大切なのです。ページ94
どんな仕事でも、一生懸命打ち込めば良い成果が生まれ、そこから次第に楽しさ、面白さが生じてくる。面白くなれば、さらに意欲がわき、また良い成果を生む。その好循環のうちに、いつしか仕事を好きになっていく自分に気づくはずです。ページ110
つまり赤い龍が「怒り」、黒い龍が「欲望」、青い龍は、妬み、恨みといった「愚痴」で、この3つを仏教では「三毒」といいます。3匹の龍とは「三毒」のことであり、お釈迦様曰く、それこそが「人生をダメにする」要素なのです。ページ152
思いやりや利他の心が忘れ去られてしまえば、残るのは己の欲望だけです。そのような利己的欲望を容認し、放任してきた結果が、今の世相に表れているのではないでしょうか。ページ195
もともと私は、自分の人生を3つの期に分けて考えていました。80年をこの世での寿命として、最初の20年はこの世に生まれ、独り立ちして人生を歩き始めるまでの期間。第二期の20歳から60歳までの40年は、社会に出、自己研鑽に努めながら、世のため人のために働く期間。そして第3期は、60歳からの20年間で、死の準備に充てるべき期間です。社会へ出るのに20年の準備期間を要したように、死をを迎えるための準備にも、20年あてます。ページ228
「災難にあったら、落ち込むのではなく喜ばなくてはいかんのです。災難によって、今まで魂についていた業が消えていくのです。それぐらいの災難で業が消えるのですから、稲盛さんお祝いをしなくてはいけません。」ページ236