再エネ大国日本への挑戦

「再エネ大国日本への挑戦」を読みました。太陽光発電については多少の知識があります。本書にて、その他の再エネの現状について知ることができました。これまで地熱発電については、温泉資源の枯渇で地元から反対されていたようです。福島県の例では、バイナリー発電という方式であれば、非接触であるので問題がないとのことです。ただ配管のメンテナンスの費用が心配です。小水力発電バイオマスは、未だに過剰投資かもしれません。沖縄県宮古島の太陽光と太陽熱併用のプランには感心しました。全国のモデルになる力を秘めています。すでに太陽光発電は、原子力より化石燃料発電より安価です。あとは国民がその事実に気づくかどうかの段階に至っています。備忘します。

日本の再エネ比率は16.9%と伸び悩んでいる。日本の地方では、人口減少や高齢化などの問題を抱える中、再エネによる循環型社会の実現で問題解決の糸口を見つけた事例がたくさんある。ページ54
福島市土湯温泉)地熱バイナリー発電は温泉資源に全く影響与えずに発電。一般家庭900世帯分の発電能力。売電収入は年間1億円。ページ61
岐阜県、石徹白集落)かつて集落にあった水車をヒントに小水力発電に着手。発電所建設のため新しい農協を設立。1000世帯が計800万円を出資。総工費2億4000万円の上水力電力を建設。ページ89
130世帯分の発電能力。2019年台風15号による千葉県の大停電の原因の1つは、手入れされず病気になった木が大量に倒れて電線を切断したこと。
岡山県西粟倉村では、捨てられていた間伐材で高品質の手作り家具を製造販売。年商3億円ページ129
岡山県真庭市)地域参加型の発電外車を設立、国内有数規模の10,000キロワットのバイオマス発電所を建設。総工費41億円。2.2万世帯分の発電。毎年売電収入年間24億円。ページ151
私たちは固定価格買い取り制度は使っていません。これまでは太陽光発電を普及させながら売電して、その収益で設備費を回収すると言うビジネスモデルでしたが、太陽光パネルは十分安くなってきましたので、今後はいわゆる自家消費型に変わっていくと思います。ページ166
沖縄県宮古島)エコ給湯器は単体としても優秀な省エネ機器で、ヒートポンプ機能を使って、導入した電気エネルギーの3倍もの熱エネルギーを発生させることができます。ページ168
エネルギーに関しては日本中が自給を忘れてしまった。農業に関しては自給はなくならなかった。…ところがエネルギーに関してはお金が全てになってしまった。全部を大企業から買うのが当たり前と言う世界です。ページ203
地方にこそチャンスが転がる時代。再エネ発電が、地方の経済格差と人口問題を同時に解決する。ページ266
2019年、事業用太陽光の発電コストは13円/キロワットアワーと、2015年に資源エネルギー庁が公表した石炭火力の発電コスト12.3円/キロワットアワーに迫っています。ページ284