経営は実行

「経営は実行」を読みました。課題に対して、二人の著者、経営者とコンサルタントが別の視点で説明している本です。実践的な回答と理論的な回答が交互に示されています。実行されない組織、その原因はリーダーにあります。明治スポーツプラザや道南食品の社長時代に常に悩んでいたことでした。決断することが経営者の一番の仕事であることを再認識しました。社長として演技することの大切さも思い出しました。備忘します。

リーダーが組織にどっぷりつかってこそ、その組織は実行力を発揮できる。率いるとは、大きな構想を練ったり、投資家や政治家と折衝したりする以上のことだ。自ら事業に深く関与しなければならない。実行するには、事業、その事業に関わる人材、事業を取り巻く環境を包括的に理解する必要がある。ただ1人、それができる立場にいるのがリーダーだ。そしてリーダーだけが、実行の中身に、ときには細部にまで深く関与することによって、実行力を発揮させることができるのである。ページ30
実行はまず上級幹部が実践すべきだが、上級幹部でなくても実践ができる。その結果自分自身はキャリアアップし、周りが見習うきっかけになるかもしれない。ページ37
実行させる第一の構成要素として、以下の7つの行動を上げることができる。①自社の人材や事業を知る、②常に現実を直視するよう求める、③明確な目標設定し、優先順位をはっきりさせる、④最後までフォローする、⑤成果を上げたものに報いる、⑥社員の能力を伸ばす、⑦己を知る。ページ68
長期わたってゆるぎないリーダーは、判断の基準になる倫理的枠組みがあり、それがどれほど困難な課題でもやり遂げるだけの力とエネルギーの源になっている。自分の信念がからぶれたりしない。この特徴が基礎になって正直さや高潔を持つことができ、尊厳を持って部下と接することができる。これがビジネスにおいてリーダーに求められる倫理なのだ。ページ93
行動を変えるにはまず、報酬を業績と連動させ、その関連に透明性を持たせることが基本となる。企業文化とは、社内で何が評価され、尊敬され、何が評価され、何が認められるかを社員に教える。ページ106
活発な対話、つまり、オープンで率直でざっくばらんな議論によって現実を浮き彫りにしなければ、実行の文化は実現しない。ページ118
人を動かして何かをやり遂げるのは、リーダーシップの基礎的なスキルだ。それができなければ、リーダーとは言えない。ページ143
いかに実行するか、その方法を考えない戦略が、失敗する確率が高い。ページ202
戦略計画に現実を反映させるのは中間目標だ。戦略を実行する中で、中間目標が達成できない場合は、リーダーは、そもそも戦略が適切だったかどうかを考えなければならない。ページ222