アフターデジタル2 UXと自由

「アフターデジタル2 UXと自由」を読みました。ビジネスの今後の展開方向がわかりました。「商品でなく自分を売れ」と言っていた先輩を思い出しました。データを集めるだけでは何の意味もない、オンラインとオフラインを融合してよいUXを作り出すこと(OMO)が重要で、顧客提供価値を生み出せるかどうかが勝負の分かれ目だと言っています。中国の例をみるまでもなく、ビジネス環境は、熱帯雨林から、サバンナへ、そして砂漠へと変化しています。生き残れる企業はほんの一握りになると予感します。一社総取りの市場かもしれません。それにしてもフィットネス業界で適用するのは骨です。備忘します。

アフターデジタル2 UXと自由

アフターデジタル2 UXと自由

感動的な体験や信頼を獲得するといった事はデジタルよりもリアルの方が得意です。リアル接点は「今までよりも重要な役割を持つが、今までよりも頻度としてレアになる」と捉えるのが正しいと考えます。ページ20
アフターデジタルという社会変化はビジネスに大きな影響もたらしますが、その最も大きな影響は「属性データの時代から行動データの時代になること」ページ22
これからは「製品はあくまで顧客との接点の1つ」と考え、他の接点である、アプリ、店舗、イベント、コールセンターなどと等しく扱われるようになります。ビジネスモデルは、すべての接点が1つのコンセプトでまとめあげられ、その世界観を体現したジャーニーに顧客が乗り続け、企業は顧客に寄り添い続ける、そうした新しいバリュージャーニー型に変化します。ページ26
最終的にはペイメント機能を持つことで生活全方位に機能を拡大し、アフターデジタル型産業構造で頂点に君臨する決済プラットフォームになることを目指しています。ページ30
スーパーアプリで重要な事は、「いかにして日常の様々なことに使ってもらうか」です。ページ32
こうした状況を起こしていくためには、世界観を得るだけではなく、様々な点で思想を転換する必要があります。例えば顧客との関係性は「単発取引」から「継続的会話」へ、「購入してもらう」ものから「自己実現に成功してもらう」ものへ。また商品も「売る」ものから「一緒に作るもの」へ、といったように従来の製品販売型ロジックとは一線を画する思考法になっています。ページ42
ブランドの世界観を押し出し、テクノロジーを駆使してこれを伝えた上で、顧客に製品を販売するモデルからリレーションを作っていくモデルに転換しているという点で、アフターデジタルの「バリュージャーニー型」と同じ考え方に根ざしていると私は考えています。ページ43
WeChatのペイメント機能は、お金をチャットと同様に送ることができます。ページ59
商品を購入しようとする意志の前に、このように利便性が高く、生活に新たな意味をもたらすようなサービスが「想起が起きる前」から顧客の心理の内側に存在することによって、メーカーや小売のシェアが奪われていく流れにあるのではないでしょうか。ページ74
DXを行う企業は、まずシステムの先行導入やビジネスモデルの変更考えてしまいがちですが、顧客との関係性の変化を捉えて価値を再定義する事は何よりも率先して行うべきである、という点は重要な示唆になるのではないでしょうか。ページ87
アフターデジタルで伝えているOMOの概念を改めて示します。「アフターデジタルという社会的な変化に対し、企業は対応せねばならない。この対応において、成功している企業が共通で持っている思考法のことをOMOといい、オンラインとオフラインを分けて考えず、一体のジャーニーとして捉える考え方のことである。ページ97
O2Oとはネット上(オンライン)から、ネット外の実地(オフライン)での行動へと促す施策のことや、オンラインでの情報行動を持ってオフラインでの購買行動に影響与えるような施策のことを指す。ページ97
デジタルとリアルの接点におけるそれぞれの強みと弱みを使って、相互に行き来できるようなUXを作っていくことでジャーニーとつながっていき、ユーザが使い続けてくれるようなサービスになっていくわけです。ページ112
アフターデジタルと言う概念の本質は、神に顧客提供価値で勝負することだと思います。ページ128
一見当たり前のことを言ってるように思うかもしれませんが、「体験提供の時代」だからこそ、この顧客提供価値をわかりやすく定義できるかどうかが重要になります。ページ129
このように、「こうすれば世の中を今より良くできる」「こんな考え方のライフスタイルは素敵ではないか」といった、人々の共感や参画を生む提案を、サービスや商品とともに打ち出しているものが世界観であると言えるでしょう。ページ174
アフターデジタル社会におけるビジネスの勝ち筋はこうです。すべての起点に「ユーザーの置かれた状況を理解する」という共感の技術が使われ、より良いUXを作り、UXが良いから行動データが高頻度にたくさん溜まり、それによってさらにUXが高められる。こうしたループを回せる企業サービスにユーザが集まり続け、他者を圧倒するのです。ページ195
本書では、UXに関しては言葉を少し強めに書きました。「DXの目的は新しいUXの提供」「アフターデジタルはUXとテクノロジーが牽引する社会」などです。またデータがお金になると言うのは幻想だよという明確なスタンスをとりました。ページ236