変身物語・ガリア戦記

「変身物語・ガリア戦記」(週間朝日百科 世界の文学53)を読みました。西洋の芽生えはローマ文学からはじまりました。ウェルギリウス「アエネイス」、カエサルガリア戦記」の解説です。「アエネイス」の主人公はローマの初代皇帝アウグストゥスを摸しているとのこと、ギリシャトロイア戦争の続編の形をとっています。「ガリア戦記」が名文で、元老院ガリア征服を認めさせるためのプロパガンダ作品だったそうです。それにしてもカエサルは戦争の天才にして文章の天才でもあったことに驚きました。キケロセネカにも言及しています。キケロの「老年について」、セネカの「オエディプス」を一読したいものだと思いました。尚、最終ページ「文学を旅する」小林多喜二と小樽のコラムは秀逸です。備忘します。
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ウェルギリウスの青年期、世は内乱の時代だった。この激動期にカエサルは新しい単独支配を切り開き、キケロは伝統的な共和制を守ろうとした。結果はカエサルの勝利だったが、キケロが叫んだ共和制の理想も、カエサルの後継者アウグストゥスの政治に生かされた。