仕事と人生

「仕事と人生」を読みました。副題は「ラストバンカーの遺言」です。三井住友銀行、元頭取、西川善文氏の著作です。郵政改革をめざし、「かんぽの宿」問題で民主党に敗れた経営者です。
本書は、著作といっても、インタビューから編集された本です。内容は至って常識的な経営ノウハウ本です。編集者が、世の中に伝えたいことを、まとめただけのように見えます。著者本人の肉声が聞こえてきません。インタビューで自慢話もあったでしょうが、含羞のニュアンスが伝わってきません。ビジネスノウハウで、西川氏の業績は語れないと思います。是非、優秀な方が、彼の評伝を書かれることを望みます。備忘します。

仕事はできるだけシンプルにとらえることが大事である。枝葉末節にこだわってあることないことまで考えたらまとまらない。ポイントを3つに絞る思考法ぜひ身に付けてほしい。ページ14
もちろん全ての人が会社全体のことが見えているとは限らない。会社全体が見えない人、全体が見えても見取り図をかけない人が、そこで終わりと言うことになってしまうような気がする。ページ44
組織の成員にとって上司の持つ意味は大きい。上司に恵まれれば仕事の成果が大きくなるし、自分の成長もいっそう進む。ページ48
人の上に立つ人はいかにして部下を指揮、監督していくが最も問われる。その際、率先垂範と言うことを忘れてはいけない。ページ58
しかるべき時はきちんと叱る、褒めることは、きちんと褒める、そのメリハリをつけることが大事である75
ビジネスに携わる者にとって1つの能力と言っても過言ではあるまい。仕事の精度を高めるためにも、現場に足を運ぶ必要がページ104
さらにバンカーとしても欲を言うなら、逆風下にある会社を助けるだけでなく、事業伸ばしていくための提案をする。両方できれば鬼に金棒だ。ページ142
そういう坂道を転がり落ちないためには、不都合な現実から目を下さず、楽観的に考えないことだ。ページ156
一度つまずき、それをごまかそうとした企業が立ち直るのは無理だといっている。これが私の正直な見解である。ページ161