ビジネスで失敗する人の10の法則

痛い! 「ビジネスで失敗する人の10の法則」(ドナルドキーオ著 日本経済出版社刊)を読みました。キーオは元コカコーラの社長、ニューコークで大失敗した人です。正直な方で「…成功を保証できる法則や段階式の方法は、どんなことについてもでも編み出せていない。ましてビジネスのように、ダイナミックで変化の激しい分野では、成功の法則など開発できていない」と言っています。

ただ「リスクをとるのを止め、柔軟性をなくし、部下を遠ざけ、自分は無謬だと考え、反則すれすれのところで戦い、考えるのに時間を使わず、外部の専門家を全面的に信頼し、官僚組織を愛し、一貫性のないメッセージを送り、将来を怖れていれば、必ず失敗する」ことは確かだと断言しています。全編、失敗例の羅列で、成功話よりはるかに面白いと感じました。

「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」(マキャベリ君主論 -手紙-」)を思い出しました。

私のことで言えば、5年前に読んでいても同じ失敗を犯したでしょう。聞きたいことしか聞こえないのが人間だそうです。備忘します。

ビジネスで失敗する人の10の法則

ビジネスで失敗する人の10の法則


…現状に満足していると、リスクをとるのをやめたいという誘惑が強くなり、ほとんど抵抗しがたいほどになる。そうなれば、失敗はほとんど避けがたくなる。(p.39)

柔軟性と適応力は、企業の指導者に不可欠な資質であり、管理能力や業務の能力、技術力といった個々の能力を超えるものである。(p.59)

…とくに大きな成功を収めた人には、控えめな性格の人が多いことにわたしは気づいてきた。スポットライトを避けようとする人が多いのだ。(p.71)

成功するには速く動けばいいというわけではない。しかし失敗するには、速く動くことだ。(p.108)

企業の合併・買収の分野では…競争がはじまり、勢いがついてくると、参加者の間に対抗意識が前面にでてきて…何でもありの勝負になる。…そうなると、積み上げた現金も、案件を裏付けるとされている健全なはずの理由も、多数の利害関係者も、すべて問題ではなくなる。勝つことだけが目標になるのだ。(p.115)

ブランドは経営者や専門家の考えで決められるようなものではない。ブランドは、消費者のひとりひとりの心のなかにあるもので決まっている。(p.127)

会社の前進をすべて止めたいのであれば、事務手続きを何よりも優先すればいい。官僚制度を愛することだ。(p.143)

私はビジネスの世界に入ってまもなく…ビジネスとは要するに、既存の顧客にうまく奉仕し、新しい顧客を獲得することだという結論に(達した)。(p.146)

何らかの形で事業を指導する立場に立ちたいと考えているのであれば、合理的な楽観主義者でなければならない。」(p.193)

ひとつの職についたとき、これが最後の職だと考え、与えられた仕事が何であれ、この職を離れるときには当初よりよい状態にするのだと決意するべきだ。(p.210)