2021-01-01から1年間の記事一覧

老人の美学

筒井康隆「老人の美学」を読みました。85歳の著作です。人は皆老いる、老いを恥ずかしがることはないのに、若者たちに嫉妬することもないのに、つい、イライラしてしまいます。老いても役割を見つけて淡々と処世するのは案外難しいです。読みながら筒井氏に…

手塚治虫とっておきの話

「手塚治虫とっておきの話」を読みました。「火の鳥」は私の考えのベースです。生あるものは必ず滅びる、形あるものは必ず壊れることを手塚治虫氏に教えてもらいました。 前半は、子供の頃、医学生の頃、駆け出しの漫画家の頃の話からはじまり、ジャングル大…

チェーホフ

「桜の園、三人姉妹」(週間朝日百科 世界の文学63)を読みました。私はロシア文学が好きでないことを再認識しました。ヘンに真面目で物語に入り込めません。記述の中でチェーホフが、ドストエフスキーやトルストイから遅れてでた小説家だということを知りま…

ペストの記憶

デフォー「ペストの記憶」をNHKオンデマンドの「百分で名著」で、視聴しました。昨年、コロナ禍がはじまったときに、カミュの「ペスト」を読みました。そして今回、デフォー「ペストの記憶」で、ロンドンでのペスト蔓延の顛末を知りました。1685年、飲食…

パンセ

パスカル「パンセ」をNHKオンデマンドの「百分で名著」で観ました。「パンセ」は、断章なので順を追って読む必要はなく、たまたま開いたページを読むので十分だそうです。テレビ番組ですので、たくさんのフィルターを通っています。ピックアップが恣意的…

幸福論

アラン「幸福論」をNHKの「百分で名著」で観ました。テレビ番組ですので、たくさんのフィルターを通っています。原典からやや離れてしまうことを覚悟で視聴しました。「はじめに行動があった」(アンドレ・モロア)は私の愛読書ですが、その本の中にもア…

徳川制度 上

「徳川制度 上」の「人足寄場」「穢多・非人・乞丐」の章( p.294〜p.409)を読みました。江戸時代というと封建的で時代遅れで明治政府に打ち倒される稚拙な政権だと思っていました。この本を読み進めるうちに瞠目しました。法治国家ではなく情治国家である…

トーマス・マン、ヘッセ

「魔の山、車輪の下」(週間朝日百科 世界の文学62)を読みました。「ベニスに死す」と「魔の山」の作者が同じ事に驚きました。両作品のあらすじを知りました。原作を読む勇気はありませんが、映画「ベニスに死す」は観たいと思います。「車輪の下」は若い頃…

人生短期大学

「人生短期大学」を読みました。ドイツ文学者、高橋義孝氏の1960年の随筆です。人生の知恵が詰まっています。曰く「人間の器量、人物の大小、これはすなわち人間の運命の別名でしょう」「小説家と歴史家というものは、表面こそ二つの別々のものではあれ、少…

50の神習慣

「50の神習慣」を読みました。副題は「あらゆるストレスが消えていく」です。東大病院の元教授、矢作尚樹氏の著作です。以前、彼の「人は死なない」を読みました。スピリチュアルな香りのする本でした。この本も多少の匂いはしますが、概ね、真っ当な意見で…

フロベール、ゾラ、モーパッサン、イプセン

「居酒屋、女の一生」(週間朝日百科 世界の文学61)を読みました。フロベール「ボヴァリー夫人」、ゾラ「居酒屋」、モーパッサン「女の一生」、イプセン「人形の家」のあらすじと評価を読みました。当時のブルジョア階級女性の生態を知りました。男性優位の…

Fusion360マスターズガイド

「Fusion360マスターズガイド」を読みました。3D-CADソフトの解説書です。基本的な操作方法の解説がほとんどないので、初心者には不親切です。 そこでYouTubeで解説動画を調べたところ。やのすけ氏の【初心者向けFusion360】の動画を見つけました。この動画…

幼年期の終わり

「幼年期の終わり」を読みました。著者、アーサー・クラークは「2001宇宙の旅」の原作者です。SF小説の傑作といわれています。いつか読んでみたいと思ってました。 ある日、地球の各都市に巨大な宇宙船が不気味にあたわれるところから物語ははじまります。そ…

史記を語る

「史記を語る」を読みました。これまで「史記」といえば「列伝」のことで、他の部分や構成には全く興味がありませんでした。本書で、王朝の正史が「本紀」、年表が「表」、文化史が「書」、列国や諸侯の歴史が「世家」、そして個人の伝記が「列伝」でである…

日本の歴史を読みなおす

「日本の歴史を読みなおす」を読みました。著者、網野氏によれば14世紀頃に日本の大変化でがあったとのことです。現代は、それに次ぐ大変化の時代であり、歴史の学ぶこと必要があると述べています。 普通の歴史書では、公家から武士へ、室町から江戸など、政…

出雲大社

日本の神社1「出雲大社」を読みました。8年前に現地を訪れました。会社売却により社長を退任して、失意のうちに全国の有名神社を巡っていました。古事記、出雲風土記を確認しながらの旅でした。大国主命が天照大神に国譲りをした話と自分が重なり、思いのほ…

鬼滅の刃

コミック版「鬼滅の刃 を全巻よみました。漫画全巻ドットコムでは品切れが続いていましたが、ようやく購入できました。昨年、「鬼滅の刃」が話題になって、早速、テレビアニメ版をAmazonPrimeで全話視聴しました。あまりにも面白くて二回観ました。その後、…

いきの構造

「いきの構造」を読みました。若い頃に読んだ記憶がありますが、読み終えたかどうかは定かではありません。この著作は論文に近く、難しい用語に阻害されて読みすすめるのは難行苦行です。まずは、江戸時代の西鶴、浄瑠璃、生活様式など著者の知識の豊富さに…

毒舌、身上の相談

今東光「毒舌、身上の相談」を読みました。昔、週刊プレーボーイに連載していた「相談」をリアルタイムで読んでいました。今読んでも抱腹絶倒、意味もよくわかるようになりました。人生の機微、辛酸をなめた人のありがたいアドバイス満載です。小説家にして…

映画と文学

「映画と文学」(週間朝日百科 世界の文学20)を読みました。世界の文学作品の映画化は長編原作はなかなか成功しないとのことです。短編でもテキストが情景を詳細に描写していると、作品は失敗することが多いようです。「愛人/ラマン」「白鯨」「「天地創造…

盛大な人生

「盛大な人生」を読みました。成功の秘訣は「心の持ちよう」だと述べています。欲望を否定せず、楽しめる欲望が成功の秘訣だと述べています。また、ヨガの先生らしく「…心のスクリーンに想像というありがたい力を応用して描けば、…強固な信念となって、その…

HGウエルズ・ジュールベルヌ

「HGウエルズ・ジュールベルヌ」(週間朝日百科 世界の文学19)を読みました。私の好きなSFジャンルの巨人です。科学と文学の幸福な結婚が、お二人の晩年には仲違いしたようです。科学の発達が人類を幸福にしないというビジョンです。タイムマシンは実現して…

オスカーワイルド

「オスカーワイルド」(週間朝日百科 世界の文学18)を読みました。「ドリアングレイの肖像」「サロメ」作品名は知っているものの内容をはじめて知りました。世紀末のデカダンスの賛美かと思っていましたが、その破綻を象徴する作品です。「…この作品は、耽…

好きの設計図

「好きの設計図」を読みました。ひょんなことから手に入れた本です。会社を「好き」になって貰うことがビジネス成功の秘訣だと言っています。多分、本人のビジネス拡張のために出版された本です。社員募集コンサルのための顧客集めの本です。内容、間違って…

日本の農山村どう再生するか

「日本の農山村どう再生するか」を読みました。2年ほど、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の普及に取り組んでいます。その際に、日本農業の、過去、現状、未来を理解する必要に迫られて読むことにしました。経済合理性からは逸脱しても、食料の確保…

蓄電池ビジネスの未来

「2時間でわかる蓄電池ビジネスの未来」を読みました。エネルギー問題の解決には蓄電池が重要なかかわりを持っています。この本で、蓄電池の意味と開発状況を確認しました。新しい電池への製品化と低価格化がすぐそこまできているとの印象を得ました。 数年…

複眼で見よ

「複眼で見よ」を読みました。古本やで本田靖春の名前が気に掛かり購入しました。代表作「不当逮捕」か「誘拐」の記憶かも知れません、昔の印象が甦りました。当時から卓越したドキュメンタリー作家だと思っていました。本書を読んでみて、取り上げているテ…

日本の夜の公共圏

「日本の夜の公共圏」を読みました。副題は「スナック研究序説」です。東京大学出身の学者連が真面目に議論しています。滑稽な感じもします。私事ですが、転勤の各地でスナックのお世話になりました。憂さ晴らしをしました。土浦、甲府、学芸大学、川崎、函…

原発事故10年目の真実

「原発事故10年目の真実」を読みました。菅直人氏から長島彬先生への謹呈本をお借りしました。ソーラーシェアリングの発案者、長島彬先生の名前が何度も出てきます。これまで、菅直人元首相の大震災後の原発事故に対する処置に疑問を抱いていました。例えば…

ボードレール・ランボー

「ボードレール・ランボー」(週間朝日百科 世界の文学17)を読みました。19世紀末の象徴詩の叙述です。ボードレールもランボーも若い頃、憧れていたものの読んだことはありません。難解で読み進められなかったのでしょう。ボードレールは「悪」、ランボーは…