動画の文法

「動画の文法」(神井譲著)を読みました。仕事のための読書です。映像制作の基本や効果的なインタビューシーンの撮影方法について学びました。豊富な事例、適切な画像は、理解しやすく、編集の基本がよくわかりました。この本から得た知識を活かして、来週からのメディマット動画撮影に臨みたいと思います。本書から得た重要なポイントと私の感想を共有したいと思います。
まず、「動画の文法」で学んだことは、動画制作においても文法が重要であり、ストーリーを上手く構築することが鍵だということです。また、編集によって視聴者に飽きさせないことが重要であり、そのためにモンタージュが大切だということを理解しました。これらの知識は、今までYouTubeにアップしていた自分の動画を振り返ると、恥ずかしく感じる部分もありますが、今後の制作に活かしていきたいと思います。
また、本書では具体的な撮影方法やインタビューシーンの撮影方法も紹介されており、視聴者の興味を引くキャッチやリードの重要性、情報の価値を伝える方法について学びました。これらの知識を活かして、より魅力的な動画を制作できるようになりたいと思います。
まとめると、「動画の文法」は映像制作の基本を学ぶ上で非常に役立つ本であり、今後の動画制作に大いに活かせると感じました。これから動画制作を始める方や、すでに制作をしている方に一度をお薦めします。備忘します。

(この本は)編集というスキルを身につけるための本であって…あくまでもソフトの部分である。「カットの順番とその長さの決め方」の話であって、電気技術的な話は割愛してあります。ページ7
台本は日本語で書いてありますから、そのストーリーを言葉でなく画で綴るように並べてあげる。つまり、動画の編集とは「日本語(言語)というコミュニケーションツールから「映像というコミュニケーションツール」に翻訳する作業にほかなりません。ページ16
まずは①退屈な見せる意味がない部分を切り落とす、これが1番目の編集の目的です。これはカット整理整頓すると言うことであります。…これによりストーリーを伝えると言う目的が②ストーリーを綴る生み出して伝える表現するに進化しました。ページ20
動画編集ができるという事は映像で文章を作ることができるということです。この映像で作った文章がシーンですだから文法が必要なのです。ページ24
…映像の順番を決めているのが文法です。文法というルールに従って情報を並べないと意味が違ってくるのは当たり前ですよね。当然、動画にも順番を決めるルールがありますそれが「動画の文法」です。ページ29
…ですから最もシンプルに1番短く順番だけで表現するなら「動作の主→動作→動作の対象:という順番で並ばせることになります。ページ36
…この時、「主→動作→対象」という意識を持っていなければいけません。まず「誰が何をしているのか」という画を見せるのだということを、次に「対象よりも動作を先に持ってくるんだ」ということを意識していなければいけないのです。ベジ49
…基本文法の現実的な意味は「動作の手と対象がわかるようになってるかどうかには常に気をつけなさい」ということです。ページ58
「アップの次は主観になる」という言葉も当たり前に使われていますが、「アップの次だから」ではなく「何かを見ているという動作」の次だから主観になるのです。ページ73
…変化の経過を伝えるためには時間が必要です。時間の流れがあることが最大の特徴である動画は、ストーリー(何がどんなふうにどうなったか)を伝えることこそに秀でたメディアであり、むしろストーリーを伝えてこその動画であるわけです。ページ89
鉄則:「ヒキで始まりヒキで終わる」ということは基本文法と合わせると、
基本構文:ヒキ→主+動作→対象→リアクションエンド・ヒキということになりますね。ページ90
ではなぜヒキで始まりヒキで終わるのが基本なのかといえばおよそ次の3つの理由が考えられます。
①広く状況描写するのにはヒキが手っ取り早い。
②広い画で入った方が後のカットの流れを作りやすい。
③前のシーンの最後のカットと次のシーンの最初のカットとの絵面がぶつかりを避けやすい。ページ103
動画の編集には二通りのつなぎ方があります。2通りのつなぎ方しかありません。それは「つながっているつなぎ方」と「つながっていないつなぎ方」です。編集とは「今のカットの長さを決め、次のカットを選ぶこと」でしかありません…ページ110
1つのシーンには起承転結が一通り揃っているわけです。シーンとは「起承転結の1番小さい一揃い」だということです。起承転結が揃っていることを「ひと連なり」と表しました。「エピソード」も小さなストーリーではありますが、通常複数のシーンからなり、必ずオチがあることがシーンとの特徴的な違いです。シーンがいくつか集まりエピソードになり、エピソードがいくつかつまりストーリーになります。シーンは1番小さな起承転結の一揃い、エピソードは中規模の起承転結の一揃い、ストーリーは全体の起承転結の一揃いということです。ページ112
ネットでも紙芝居編集をしばしば見かけますが、目につくのはまず、当てた画を見せる間が短すぎる、カットが短すぎるということです。次に画面に余計なものが出ていて何を見せたいのかわからない、画面の整理ができていないという事ですね。ページ129
…複数のカットをつなぎ合わせて作られているシーンを指して「このシーンはモンタージュされている」といい、複数のカットをつなぎ合わせて1つのシーンを作ることをモンタージュ(する)といいます。ページ160
…各パーツをあるべきところに配置したか、単に寄せ集めただけか。単に複数の異質のものを寄せ集めればそれはすべてコラージュなのですから、編集も合成写真も全てがコラージュであり、その内1部の「違和感なく1つのものとしてつながっているもの」だけをモンタージュと呼びます。ページ161
つまりカットをストーリーになるようにつなぐことがモンタージュするということになります。ページ163
特に重要なのは時間がよどみなくつながっていることです。ページ169
…正しい順番はまず素材をリサーチ、台本を書く、編集するです。撮影も伴う場合は、リサーチ→台本→撮影→編集です。台本を先に書くと全てを言葉で伝えようとしがちですので必ず頭の中で映像を思い浮かべながら書くようにしましょう。ページ187
動画の持つ力それはとりもなおさずモンタージュの力なのでありそれを最大限発揮させることが編集するということです。ページ191
アップはよほどの狙いがない限りはラストカットに持って来てはいけません。ページ215
…みんなが動画を見たがるのはストーリーがあり、それが活字ではなく映像で描かれているからです。より劇的で面白いものに料理されているからです。みんなが見たがる動画は「番組系動画」のことであり、ストーリーこそが動画の命なのです。ページ234
まとめ
・先に紹介された人物が主人 後から出てくる主人公は手を焼かせる
・役の重要度によって見せ方が変わるページ253
…「演出」は必ず「答え」の前に来ます。全てを「答え」の前に持ってきた=「答えを後に持ってくる」、これが「演出」というものです。乱暴な言い方ですが、「演出とはイ答えを後に持っていくこと」です。だからそこには時間が必要になり、だから動画が面白いのです。答えがすぐに出てくるという事は、演出がされてないということですよね。だから面白くないわけです。ページ271
イン点はもちろんそのカットによっていろいろですが、たいていは「動作が始まる1フレ前か5フレ前」です。イン点を決めたらそれより左側を切り落とします。ページ280
…被写体が何であるかを認識するまでに通常10から20フレ位かかりますが、状況認識するまでは少なくとも3秒程度かかります。だから原則として1つのカットは3秒以下はありえないのです。ページ283
編集する者にとっての演出とは「モンタージュすることによって、写っていないものを感じさせること」に他ならないということです。つまり番組系動画では編集することと演出する事は同じことです。ページ292
…そのような動画を本書では「番組型動画」と呼んでいます。そしてそれをできるのはつながっている編集だけです。つながっている編集を使いこなしストーリーの力=モンタージュの力を存分に引き出せることこそが編集できるということです。そしてそれができて初めて動画は最強のメディアとなれるのです。ページ293
…いかに退屈させない事が重要であるかを頭に入れておいてください。実はこの本の冒頭でお話しした編集の3つの目的は、すべて視聴者を退屈させないためなのです。ページ337
日の丸構図は動画でもよろしくないのですが、気になる時は被写体を端に寄せるのではなく、車体によって上下の余白を少なくします。特に被写体が人の場合は、頭の上の余白を少なくして、顔がセンターではなく画面の少し上に来るようにします。Hey頭の先まで入れたがる人がよくいますが、頭はかなり思い切って切ってしまってもいいのです。ページ343
…頭の上に空間を作ることを嫌います。頭の上は開けても卵1つ位切り込むときには最大おでこまで切り込みます。顔がしっかりは目線の向いている側を広めにするのがオーソドックスなやり方です。…動画では被写体を真ん中に捉えることを基本にします。視聴者は真ん中周辺しか見ていないからです。特に動作を見せたいカットでは被写体対応ではなく動作を真ん中でとらえるようにしましょう。版はカメラを左から右へしまってから上へ流すのが基本です。…動画は何でも左から右が基本ですページ345
インタビュー映像の編集は通常、まずは音だけで編集します。画は一旦無視していらない場面や発言等をつまむという作業です。ページ370
省略法のルール、…省略できるの原則として「状況説明のカット」だけです。つまり、コア・カットは省略できません。ページ379
インタビュアーがいるという事は取材映像だということです。取材映像を使うのは報道とドキュメンタリーです。だから報道系動画では取材者がいるのは当たり前だから省略してもわかってもらえるのです。…だから番組系動画で省略するのはNGです。ページ397
…エンタメ動画を作る際には撮影する前に必ず物語を創る必要があります。紙の上でまずは完璧にストーリーを作ってからそれを作るための映像を作っていくことになります。ページ449
カメラ視点は視聴者の主観です。その場にいるのだから視聴者というよりも観客といった方がいいかもしれませんね。これがショーだということです。観客がカメラを回しているんだと思ってください。…CM一般番組です。CM内にインタビュー映像が出てきた場合、それはインタビューのシーンとなりお芝居映像ということになります。ページ 455
番組系は伝えるものは創作したストーリーなのだから主観で作られているに決まっているわけで、それを視聴者の時間で描く番組に、客観で各とドラマになるということです。ページ457
一方、番組系動画は映像で語ることが目的であり、映像作品を作っているわけですから、映像ではないコミニケーションツールであるテロップは使うべきではありません。ページ462
編集に1番引っかかるのはこのカメラ視点です。主観でとっているのか客観で撮ってるのか、主観なら誰の主観なのか。これが超重要です。ページ465
また視聴者側の人であってもテロップには「さん」をつけません。単なる情報です。読んでるわけではないので呼び捨てになりません。ページ474
たとえ企業VPでも「お客様」という言葉としで使うならまだしも、「○○様」は気持ち悪いです。ページ480
…マーケッターやコンサルタントでも「お客様」という言葉を使わず「お客さん」を使っている人が少なくありません。ページ481
たった1つのことだけを頭に入れておけばいいのです。人間は1度に1つの事しか認識できないこれだけです。ページ484
…だから演出は必ず先に、受け取って欲しい情報テロップは必ず最後にいきます。これができるからこそ動画訴求力が強いのですが、それと引き換えに1つのことしか伝えられないのです。ページ486
映像に不足があるときはまずセリフでカバーすることを考えます。それがうまくいかないようならナレーションでカバーすることを考えます。それでもダメなら、カバーしなければならないどうしてもダメなのかを考え直します。それでもダメならようやくテロップを出すことを考えるのです。ページ488
権利表記は…3秒です。2秒では短すぎ、表示したことになりません…ページ489
…後は音だけではわかりにくい単語などでしょうか。他にもいろいろあるでしょうが、いつでも映像の不備を補完するもの視聴者がより没入するためにその情報を必要するということが絶対条件です。ページ497
…基本は映像よりもメインとなるようなテロップならば真ん中の下、映像の方がメインでどこに出してもいいようなテロップならば右下にできるだけ小さくです。ページ494
まず話を聞いてもらえるように視聴者が興味があるであろうが話題で入って仲間に入れてもらいます。これを「キャッチ」といいます。…相手をより深く引き込むためには、「これはなんだろう?」ではなく「この後どうなるんだろう?」と思ってもらうことが大切で、それにはストーリーが極めて有効です。だからストーリーのある動画が最強のメディアなのですが、ストーリーは変化であり、変化を見せるには時間が必要なので、動画はアイキャッチはできない事に注意が必要です。次に伝えようとする本題のほうへ誘導しますこれを「リード」といいます。ページ502
…そこまでしてからその情報の価値を伝えます。これが本題です。本題とはあなたが伝えたい情報そのものではなくその情報の価値視聴者にとってのメリットであることに注意してください。視聴者は価値を理解したならばそんなに良い情報なら「ぜひ教えてちょうだい」となるのでそこで初めてあなたが押し付けたい情報のテロップを出せばいいのです。…相手にちょうだいと手を出させそこで渡して初めて伝わるのです。ページ503
カット内のセリフが始まる直前10フレ前をイン点、セリフの終わりの10フレ後をアウト点とします。イン点にか5~10フレ程度のフェード・インを掛けて下さい。アウト点のところは、フェード・アウトです。…これを音を丸めるといいます。ほぼ必ず音出し音終わりは音を丸めると覚えてください。ページ509
BGMを入れたい場合は、音楽ファイルをステレオで編集室の空いているトラックに貼り付けておきます。動画の音声の基準レベルは-20デシベルんですがCDに基準レベルはなく最大0デシベルを目指してできるだけ大きく好き勝手な音量で入れてあるので、そのまま貼り付けるととんでもないレベルになります。…BGMならば− 10 UVほどになるように下げましょう。…セリフはスカスカなので同じで0VUだとセリフが小さく音楽は馬鹿でかく聞こえます。ページ514
インターネット動画を作る方は必ずお父− 20デシベルノーマライズすることを忘れないでください。音声ファイルなら0デシベルでいいでしょうが動画ファイルにしたいのなら− 20デシベルにするべきです。ページ515
…だから「だれに」「なにを」をしっかり考えなくてはいけません。」…「どう」伝えるかは企画の段階では大雑把でかまいません。ページ523
…またインタビューなどドキュメンタリー系では、コンテをか書きようがない事はありますが、それでもできる限り考えておきます。どんなインタビューになるのか、相手が何を話すのか、どんな構図の画をとればいいのか(どっちを向いて話してもらうのか)、その場で考えているようでは絶対に後で泣きます。0時526
…当たり前のことを過ぎて書くのを忘れていましたが、撮影に行くときには絶対に照明と三脚を用意します。室内のロケならもちろんですが、屋外ならば最低限レフ板は用意します。ページ528