映像制作ハンドブック

「映像制作ハンドブック」を読みました。「動画の文法」で学んだ内容を復習するために読んでみました。この本は、プロ向けのテクニックや機材についての記述が詳しいです。少し技術的なことを学ぼうと思っていたので、非常に参考になりました。特に照明やレフ板の使い方やインタビュー時のカットのつなぎ方の説明は、大変参考になりました。
話の流れやポイントをわかりやすく伝えるために、構成・シナリオ段階でのキーワードは「強調と省略」だと述べられており、情報を要約することが必要であるとされています。撮影現場での準備や作業フロー、映像編集においてもストーリーの構成や編集の原則が必要です。映像制作における現場テクニック、ストーリーの構成、編集の原則などが再確認できました。備忘します。

構成・シナリオ段階でのキーワードは「強調と省略」です。苦労してた情報ほど切り捨てづらいものですが、過大な情報を詰め込んだ映像は、ポイントが不明瞭になってしまいます。企画の目的に合わせて思い切った要約や単純化行います。そして話の流れやポイントがわかりやすいように、情報を伝える順番とそのつなぎ方を検討します。ページ8
一文の長さを短くする 映像内の音声による言葉は一方通行で後戻りして確認できません。そのため次の点に注意しましょう。
・文の長さ短く(一文は15文字から30文字以内が目安)
・主語は文頭に持ってくる
・形容詞・句と被形容詞・句をできるだけ近づける。
・複文(1つの文の中に主語述語が二組上ある)を避ける
・できるだけ短文(1つの文の中に主語述語が1組だけ)にする ページ12
撮影現場では、ロング、ミディアム、アップの各サイズをバランスよく撮影することが1つのコツです。どの画面サイズも、単独では映像作品として成立しません。3つの画面サイズの撮影量のバランスを意識して撮影することが大切です。ページ18
カメラを固定して撮影することをフィックス撮影と呼んでいます。カメラワークの基本はこのフィックス撮影です。フィックス撮影は画面に落ち着きがあり、客観的な画面となります。ページ21
パン撮影を行う際の注意点
・ショットの頭と末尾に点数秒間以上のフィックスショットを入れる
・頭と末尾のフィックスショットはしっかりした構図になるようにする
・末尾のフィックスショットが最も自然に撮影できるように、三脚とカメラマンの立ち位置を決める
・パンの開始と終了は徐々にスピードを変化させる。急激に開始終了しない。
・絞りシャッタースピードなどはマニュアルに設定する。
・パンは原則として左から右へ ページ22
内容的なものは、5 W1 Hに従って分析すると、漏れがありません。映像に限らず、すべての情報はこの5 W1 Hが基本だからです。この分析がなければ映像制作としての撮影は不可能といっても良いでしょう。ページ30
現場での撮影準備、ロケハンでの作業フローはおよそ次のようになります…決定項目のプライオリティの付け方としては「変えてはいけないものから決めていく」ことを基本にすると良いでしょう。
①被写体の決定→②カメラポジションの決定→③画面サイズ、カメラの高さ、カメラワークの決定→④照明の決定→⑤マイクセッティング→⑥ホワイトバランス→⑦リハーサル→⑧本番 ページ33
ビデオカメラなしでビデオ映像を制作することはできませんが、照明がなくても撮影ができてしまいます。しかし、ニュースなどを除いて、プロの映像製作者は照明をカメラと同じ位重要だと考えます。実はここに、アマチュアの映像とプロの映像の差があると言えるのです。ページ35
3灯照明の各ライトの照明のバランスに決まりがありませんが、一応のガイドラインとしては右の表のような設定が一般的です。
キーライト(左1基準)、フィルライト、(右3分の1から2分の1)、バックライト(後2分の1から1超)ページ47
屋外での最大の高原は太陽です。光量で太陽にまさる照明は難しいので、「屋外照明」の基本は太陽光を活用することです。そのため最も基本的な道具がレフ板です。屋外のロケーションで人物を取る場合の一般的な方法は、太陽をバックライトとして使って人物の輪郭を浮き上がらせ、レフ板で太陽光を反射させて人物の前方からあてるというものです。ページ48
音量はデシベルと言う単位で表すのが一般的です。録音レベルはマイナス6デシベルから12デシベルで調整するのが目安です。ページ67
映像編集を作業面からとらえると「与えられた映像素材から必要な部分を取り出し、並べ直し、つなぎ合わせ、映像効果を加えることで1つのストーリーを構成すること」です。「切り取り、並べ直し、つなぎ合わせ、特定の効果を加える」ことによって省略と強調を行い、映像のに特定の意味付けを行うことでストーリーを作るのです。ページ84
カットに連続性があるとは、1連のカット(シーン)が「自然に見える」ということです。視聴者は映像の中の出来事が目の前でリアルタイムで起きている、と無意識に感じながら映像を見ています。このため現実の物理法則に反するようなカットつなぎがあると、視聴者は違和感を感じます。ページ88
連続性を保ちながらもカットが変わったことを明確にするつまりカット繋にメリハリを与えるルールが必要です。これが20%ルールです。20%ルールとは「あるカットは前のカットよりも画面サイズやカメラポジションが20%以上異なっていなければならない」という経験則です。例えば画面サイズならウェストショットからバストショット以上、カメラポジションなら被写体に対して30度以上が目安です。…以上スムーズなカット繋連続性180ドルとメリハリのあるカットつなぎの2つがカット編集で最低限守るべきルールです。ページ91
例えば2人の対談をそれぞれ人物を二台のカメラで撮影した素材があるとしましょう。この場合のカット編集は、どのタイミングで二台のカメラの素材を切り替えるかという問題になります。基本は、常に話し手を映像で見せることです。話し手が変わるたびに2つのカメラ素材を切り替えていくわけです。しかし2人の言葉の間の時間が短い場合、カット替えと同時に次の人が話し始めることになり、非常に忙しく感じるはずです。そこで実際は、片方の人物の発言の最後で早めに次の人物へカットがする技法も比較的よく使われます。ページ92