手塚治虫とっておきの話

手塚治虫とっておきの話」を読みました。「火の鳥」は私の考えのベースです。生あるものは必ず滅びる、形あるものは必ず壊れることを手塚治虫氏に教えてもらいました。
前半は、子供の頃、医学生の頃、駆け出しの漫画家の頃の話からはじまり、ジャングル大帝鉄腕アトムなど、作品の秘話やヒゲオヤジ、ヒョウタンツギなどのキャラクターの逸話が述べられています。後半は、奥様とのお見合い、結婚生活、虫プロ倒産事件、トキワ荘の顛末など天真爛漫な手塚治虫がよくわかります。「生命を大事にしよう」という手塚治虫氏メッセージは、現在の漫画「毀滅の刃」にも伝わっています。手塚治虫の前に手塚なく、手塚治虫の後に手塚なし、とつくずく思います。備忘します。

…青春とは何かとあるけれど、見果てぬ夢なんです。ページ18
漫画の本質については、いろんな人が書いていますが、僕は次の3つだと考えます。まず第一は批評精神が基調になっていると言えること。… 2番目に、…漫画が大衆の中から生まれ、雑草文化として育ったのなら、むしろ…美しさや上品さは逆効果なのではないでしょうか。最後に、やはり漫画は漫画であり、ただの絵画やイラストとは区別したいのです。と言う事は、笑いやユーモアが絶対に不可欠だということです。ページ46
外国人は漫画を読まないのは、向こうの国に手塚治虫がいなくて、日本人が漫画を読むのは日本に手塚治虫がいたからだという事は当然すぎているから、手塚治虫さんがなくなるまで気がつかなかったことであった。ページ144
子供が好きな文化である映画とかテレビとかの視覚文化を通して、手塚治虫は、メッセージを伝えようと試みた。そのメッセージとは「生命を大事にしよう」という生命の尊厳に関わる主張であった。…この「生命を大事にしよう」というメッセージは、さらに4つのテーマに分けて書き込まれていく。それは、「自然の保護」、「生き物への賛歌」、「科学文明への疑い」、「戦争反対」であって、これらは、それぞれの作品に、ときには濃く、ときには柔らかく、そしてときには激しく、また優しく脈打っている。ページ148