津下さんのこと

葉書が届きました。


喪中につき年末年始のご挨拶ご遠慮申し上げます

7月8日に 夫 徹が72歳にて永眠致しました

ここに本年中賜りましたご厚情を深謝申し上げ

明年も変わらぬご交誼のほどをお願い申し上げます

葬儀を知りませんでした。親分肌の誠に素晴らしい先輩でした。外食チェーンの社長を務めたのち、弊社の窓口を担当され、物心ともに助けていただきました。まだ初心の店長の頃、激しいクレームで参っていた私を助けてくれました。ひとりでお客様の家に行って話をつけてくれました。「何も聞くな、ケースでカレーを送りなさい、2回目からは料金は頂いてよい」何が何だか、未だに不明ですが、その後、そのお客様とは、にこやかに挨拶をする関係になりました。

社員旅行で、シンガポールにご一緒しました。旅客機に乗ると、「旅客機には固有の番号がついている、私は搭乗機の番号を全て記録してる」 客室乗務員に搭乗券を渡し「機長にサインをもらいたい」そんな趣味があるのかと驚いたのを記憶しています。金沢、熱海、いろいろなところで酒を酌み交わしました。飲むほどに談論風発、薫陶をうけました。「義理を欠いたら人間じゃない」と。

定年後、会社の温情に従うことなく、あっさりとお辞めになりました。彼の美学だったのでしょう。こうしてブログに書くことが功徳と思い、ここに津下さんのことを記しました。合掌。