ヒトはなぜペットを食べないか

「ヒトはなぜペットを食べないか」を読みました。センセーショナルな題名に思わず読み始めました。著者は、犬、猫を食べるヒトをを面白がっているようです。歴史的な知識の羅列、仮説の連続で、結局、なぜペットを食べないかの明快な回答にはなっていないと思います。要するにタブーを論じた本だからです、犬猫(ペット)は広告塔にすぎません。私の読書力不足も否めませんが…備忘します。

ヒトはなぜペットを食べないか (文春新書)

ヒトはなぜペットを食べないか (文春新書)

…同様に、性愛は相手をわがものにし、自他一如となって宇宙と合一しようとする見果てぬ夢を秘めている。そこでオルガズムの絶頂では、相手に噛みつき、食べてしまいたい、食べられてしまいたいと身悶えすることが起こってくるのである。(p.92)
…女の性器は口である。しかもペニスを食う貪欲な口である…愛の営みとはその都度、女が男を食べていることになるが、…食と性がここでも同一視されていることは一目瞭然だろう。(p.94)
つまり人類は…平常時にはカテゴリーの混乱がおこるとアラームのようにタブーをけたたましく鳴り響かせたが、余りにケの日が続くと活力が枯渇してシステムが劣化し、既成秩序を維持してゆくことができなくなる。そこで、定期的、臨時的に時空の亀裂で短時間タブーを解除し、お祭り騒ぎを行って、カオスの潜在的な創造力を導入して、システムを活性化し、再賦活化しようとしてきたわけである。(p.156)