続 羊の歌

「続 羊の歌」を読みました。加藤周一氏の名著「羊の歌」の続編で、昭和20年8月15日からの回想です。医者として広島に赴き、原爆症の患者さんを研究する合間、米国の研究者に「あなたの意見(民主主義的な考え方)は戦争中に認められていた意見か?」と問われ「認められていない」と応えたら「君は裏切り者か」と言われてたじろいでいました。空気を読まない稀有な人の回想録です。京都に結婚を約束した女を残してフランス、イギリスに遊び、現地で結婚相手を見つけて、日本の女を捨てました。森鴎外の「舞姫」の如く、この回想録は言い訳のために書かれたのではなかったか?頭が良すぎるので理屈をつけないと気が済まない質なのでしょう。続編は正編のようには感心しませんでした。★

続 羊の歌―わが回想 (岩波新書 青版 690)

続 羊の歌―わが回想 (岩波新書 青版 690)