ああ面白かったと言って死にたい

「ああ面白かったと言って死にたい」を読みました。これまでのたくさんの著作の中から言葉を拾っています。あとがきに「…編纂にたずさわって下さった仲田てい子さんはさぞかし心身をすり減らされたことでしょう。まるで私の吐いたゲロの腑分け(?)をさせられるような心境だったでしょう…(p.197)」とありました。さすが偏屈な佐藤愛子さんです。老いても意気軒昂、嬉しくなりました。備忘します。

ああ面白かったと言って死にたい―佐藤愛子の箴言集

ああ面白かったと言って死にたい―佐藤愛子の箴言集

人生は美しいことだけ覚えていればいい−。私はそう考えている。苦しいことの中に美しさを見つけられればもっといい。「−ああ面白かった」死ぬ時、そういって死ねれば更にいい。私はそう思っている。(p.43)
人間、ムリはいけない。どんなことであれ、そう「したいからする」のでなくてはならない。(p.60)
…あの頃はよかった…一途に、苦労と闘えたということは(負けるとは決して思わなかったということは)、何にもまさる幸福ではなかったか。(p.77)
…夫婦というものはその時のためにある、私はそう考えています。エネルギーも時間もなくなった時こそ、いたわり合い、慰め励まし、築いてきたささやかな幸福を二人して守るんです…(p.191)