今よみがえるアイヌの言霊

NHK,ETV特集「今よみがえるアイヌの言霊」を視聴しました。戦後すぐの昭和22年にNHKアイヌの語りや歌を録音していました。レコードで約100枚もの録音です。戦後の混乱期でしたがアイヌの伝承が失われるという危機感からはじまったそうです。ユカラを世に紹介した言語学者、金田一京助先生、アイヌとしてはじめて北海道大学教授になった知里真志保先生が協力しました。アイヌは普段の生活の全てにカムイ(神)を感じる民族だったそうです。人間に役立つ道具にまでカムイを感じ感謝する民族だったそうです。その生活を推し量る記録です。
大変驚いたのは、当時、文化喪失の危機を感じたアイヌの女性、金成マツさんがローマ字を覚え、ユカラを記述していたそうです。昭和3年から20年、50冊以上のノートに書き留めていたそうです。執念の仕事です。金成さんの3分の語りがレコードに採録されていました。当時71歳、切々とした、しっかりした、声でした。
アイヌから狩猟生活を奪った旧土人法が改正されたのは1997年。つい最近のことです。和人はアイヌ文化を破壊しました。日本人は金成マツさんの執念の成果を後世に残さなければいけません。