財界2018年6月26号

「財界2018年6月26号」を読みました。財界のトップ日商会頭三村氏のインタビュー記事がメインですが、感心しませんでした。誰でも知っていることです。興味をもったのは、京大、岩下教授の仮想通貨に対する意見です。「紙幣はいつか紙くずになる」は間違ってる。ビットコインが世界通貨になることはない、日本人は世界のビットコイン流通の6割を担ってるが、これは通貨としてではなく、投機対象であって、歪んだ使用であると断じています。セキュリティ上非常に危険な「価値」交換であるとの思いを新たにしました。もうひとつは、「再生エネルギー」の特集です。太陽光より風力がメインになることを理解しました。堺屋太一氏の連載で人口減は暖かいコミュニティの復活で対処するよう提案しています。まあ… 私の「ずいひつ」も載っています。

財界 2018年 6/26 号 [雑誌]

財界 2018年 6/26 号 [雑誌]

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ソトコト 2018年7月号

「ソトコト 2018年7月号」を読みました。特集は「地域で生かす、編集力」で、タイプ別に日本各地の町おこしや地域再生の実例を拾っています。若者の「価値観」が少しずつ変わってきているのがわかります。お金や名誉ではなく、自分らしさとかつながりとかを大事にする人が着実に増加していることがわかります。農業や地域特産物の発掘や商品開発に地道に取り組んでいる若者の姿に、日本も捨てたものではないなあと思いました。栃木県・那須町黒田原駅前の商店街は一見、廃れているように見えますが、集会エリアやビールの飲める本屋、ミニFM局など、再生の萌芽がみえるようでした。東京からUターンした若い女性の仕掛けです(ページ56)。地域を新しい目でみて、再構成する可能性を捨ててはいけないと思いました。最終ページ、田中康夫浅田彰の対談。岡本太郎太陽の塔」の裏話は実に面白かったです。

ソトコト 2018年 7月号 Lite版 [雑誌]

ソトコト 2018年 7月号 Lite版 [雑誌]

雑誌乱読

ビューンで色々な雑誌を流し読みしました。
「フラッシュ2018.6.19号」で注目記事は「メルカリ新規上場で必勝」(ページ36)影響されて、「メルカリ」「ZUU」を色々な証券口座から5口ほど申込んでみました。まず当たらないけどね。

アエラ 18.6.11号」にグラブ由美のママのインタビュー記事が載っていました。ちょっと太ったかな。「吸い殻見ればわかるの」「銀座のママに聞いたウソとの付き合い方」(ページ26)
AERA6/11号

AERA6/11号

「家電批評 2018.7月号」はアマゾン特集でしたが、欲しいものがなくでがっかりでした。唯一気になったのは「スマート縄跳び」縄跳びで健康増進、消費カロリーなど確認できる(ページ182)「アラーキー小津安二郎、そして写真の原罪」(ページ131)はアラーキーの悪口ではなく写真家としての業であるとしています。卓見です。
家電批評 2018年 7月号 [雑誌]

家電批評 2018年 7月号 [雑誌]

他に「フライデー」「HANAKO」など読みました。

到知 2018年7月号

「到知 2018年7月号」を読みました。特集は「人間の花」です。今月号の中で詳しく読んだのは「全てはミツバチが知っている」「細井平州の目指したもの」という記事でした。アインシュタインが「ミツバチが地上から姿を消すと人類は4年以内に滅びる」と言ったそうです。ホントかいな? 取り上げられているハニー・ファームの船橋代表理事の言っていることは確認のしようがないことが多くて内容を疑ってしまいます。ミツバチのこと自体は納得が行くのですが、フランスでの出来事はどうかなあと思います。シンクタンクで食えなくなってミツバチに活路を見出したと読めます。細井平州は上杉鷹山の師として名を残した方です。記事の一言に感銘しました。晩年70歳のとき、鷹山に宛てた手紙の言葉「用には立たぬ老衰には候えど、少しは国の益にも立ち申すこともござ候て、人、知れども欣欣。人、知らざれども欣欣。さても旦夕楽しく存じ奉り候。」(人に知られても楽しいし、知られなくても楽しいですなあ)
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火星に住むつもりかい?

「火星に住むつもりかい?」を読みました。ディストピア小説です。「1984年」と同じように監視社会、チクリ社会の未来を暗示した小説です。仙台が監視地区に指定され、安全警察という組織が住民の告発を集めて、無実の人間を処刑する物語です。魔女狩りの現代版を描写しています。処刑をのぞむのは民衆です。拷問の場面はリアルで途中読むのをやめようかと思いました。「正義の味方」ヒーローも普通の人です。結局、世は事もなしということになります。正義となにか? 権力掌握とはなにか? 人間行動の本質は何か? 解答は読者に委ねられています。

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

第四間氷期

「第四間氷期」を読みました。安部公房の約50年前の小説です。傑作です。50年経っても全く違和感がありません。この小説に書かれている未来予想機を使って小説を書いたのではないかと思えるほどです。すべての地表が海に覆われる事態に人類のとった対策とは? ディストピア小説として秀逸な作品とういばかりでなく、理不尽に対する人の心の動きの描写に深く納得がいきました。私なりにロボットの未来を考えてみたくなりました。

第四間氷期 (新潮文庫)

第四間氷期 (新潮文庫)

饗宴

プラトンの「饗宴」をキンドルで読みました。昔、途中で挫折しましたが、今回の「饗宴」は解説も含めて非常にわかりやすい訳になっています。現代の日本人が理解できるような易しい言葉で翻訳しています。解説部分で男同士の愛について詳しいので、これまでその部分は現代に合わないのかなという気がしておりましたが、現代のホモセクシュアルとはまた違うということを理解しました。日本で言うところの「若者宿」だったようです。

「饗宴」のあらすじ。宴会の席でエロス賛美の演説 を行うこととなる。パイドロス、パウサニアス、エリュクシマコス、アリストパネス、アガトンが順に演説を行う。そしてソクラテスが演説する。ソクラテスは自分の説ではなく、覚醒者ディオティマに聞いた説として、愛の教説を語る。愛(エロス)とは欠乏と富裕から生まれ、その両方の性質を備えている。ゆえに不死のものではないが、神的な性質を備え、不死を欲求する。愛には幾つかの段階があり、生物的な再生産から、他者への教育による再生産へと向かう。愛がもとめるべきもっとも美しいものは、永遠なる美のイデアであり、美のイデアを求めることが最も優れている。これを求めることこそがもっとも高次の愛である。演説後、アルキビアデスが乱入する。アルキビアデスはすでに酔っており、ソクラテスとの愛の経緯と戦場でソクラテスの態度がいかに立派なものであったかを語る。饗宴は、夜通し続き、みなが寝静まったところに、ソクラテスは酔うこともなく出て行く。

プラトンのエロスの本質、イデアの考え方を理解しました。それにしてもアリストファネスのエロスは欠落を求めると言う論は魅力的でした。足りないところを余っているところで塞いで完全にすると言う古事記イザナギイザナミノミコトにつながるように感じました。それぞれの論を否定するでもなく、覚醒者ディオティマの口を借りて高みに引っ張っていく論建てに小気味良さを感じました。ソクラテスは著作を残していませんがプラトンという優秀な弟子を得て非常に良かったと思います。プラトンから見てソクラテスは重要なメンターです。「ソクラテスの弁明」を読んだ時も感じましたが、プラトンラはソクラテスから大きな影響受けています。ソクラテスプラトンそしてアリストテレスにつながるギリシャの3大哲学者が同時代に出現したのは影響しあってそうなったとも言えるかもしれません。またインドの釈迦、中国の孔子など、現代の哲学の基礎をなす巨人たちが、ほぼ同じ時代に生まれたことに驚きを禁じません。 備忘します。

饗宴 (光文社古典新訳文庫)

饗宴 (光文社古典新訳文庫)

アリストファネスの話は 、エロスをより人間的な文脈に近づけたものだといえるでしょう 。また 、アリストファネスの論点は 、その後のディオティマの議論に引き継がれていく側面を持ちます 。すなわち 、エロスの本質は欠如にあるという発想です 。これは 、それまでの演説では見られなかった発想であり 、アリストファネスの直観的な想像力によって 、初めてもたらされた視点です 。この点で 、ディオティマのエロス論は 、アリストファネスのエロス論の発想を引き継いでいるといえそうです 。ページ83%