天地明察

時代小説「天地明察」(冲方 丁著 角川書店)を読みました。不明にして、冲方丁氏を知らず、江戸時代の天文家、渋川春海も知りませんでした。小説としては「悼む人」以来の感動でした。傑作です。約500頁を一気呵成に読み終えてしまいました。

春海は江戸時代の起業家です。良き先輩達に励まされ「精進します」という春海の台詞が心に滲みました。治世の要領とは「己を治めて正しくし、私をなくすこと、仁恵を重んじて民に施し、…多くを好んで囲い、世情を詳しく知ること」とのこと、深く感心しました。水戸光圀や、会津藩保科正之関孝和が物語に厚みを与えています。後半、端折っているのが惜しい、あと100頁あれば良かった。

春海の墓、東海寺は、私の出身中学のそばです。子供の頃よく遊んだ場所です。全く知りませんでした。今度、お墓参りに行ってきます。

天地明察

天地明察


冲方 丁(うぶかた とう、1977年2月14日 - )は日本のライトノベル作家、SF作家、コンピュータゲーム制作者、漫画原作者、アニメ制作者である。…岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。その後、埼玉県立川越高等学校に入学。早稲田大学政治経済学部中退。…小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。日本SF作家クラブ会員。『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞本屋大賞を受賞した。WiKi

渋川 春海(しぶかわ はるみ1639-1715)は江戸時代前期の天文暦学者、囲碁棋士神道家である。…3度目の上表によって大和暦は朝廷により採用されて貞享暦となった。これが日本初の国産暦となる。…墓は東京都品川区の東海寺にある。明治40年(1907年)に改暦の功績によって従四位贈位された。WiKi