財務を制するものは企業を制す

「財務を制するものは企業を制す」を読みました。これは名著です。この本の存在を教えてくれたのは、レフコの山下さんです。ありがとうございました。11年間も社長をやっていながら仕事をしていなかった自分に愕然としました。痛い!。世間に対しても自分に対しても何とでも言訳はできます。でも、あえて言うと失敗の原因はすべて私にあることを痛感しました。私の作戦ミスであり、私の執行ミスでした。「解説」に経営論ブームの立役者にして倒産会社の経営者、坂本藤良氏が、わが敗北の弁を述べています。やんぬるかな、リセットはできません、捲土重来を期すのみです。備忘します。

財務を制するものは企業を制す (PHP文庫 イ 6-1)

財務を制するものは企業を制す (PHP文庫 イ 6-1)

とかく資金繰りが順調な時期は、金は天下の回りものという考えになる。あればあるなりに使いたくなる。使うことだけを考えるようになる。これが惰性となって、放漫経営への一歩を踏み出す。(p.26)
…きみがそこにある数字にとらわれることなく、将来の数字について考えるかどうか、言い換えれば、事務屋であるか経営者の素質があるかどうかの試験をしたわけだ。(p.30)
五年後に五つの目標を達成するよりも、目的をひとつにしぼり、一年で一つの目標を達成すれば、一目的についても四年間の効果が得られるからである。さらに言い換えれば、五目的で一人が一目的に取り組むよりは、一目的に五人を集中し早く達成すべきだ、ということである。(p.52)
現在会社再建の神様といわれている人々の多くは、小額の支出にも目を光らせていることが共通点の一つとされている。(p.88)
逆境を克服した反省と辛い体験を生かし、飛躍を試みることでなければ、再び逆境に押し戻されることになるだろう。(p.159)
ある著名会社の社是に、「望みたいのは日々軽々の利、恐ろしいのは日々軽々の損。恐れてならないのは一時の大損、恐るべきは一時の大利」という意味のことが書かれている。(p.174)
得意のときに出る知恵は一時の利に終わるが、逆境時のそれは、企業の永遠の利をもたらすものである。(p.199)