闘う社長

「闘う社長 ある中小企業再建記」を読みました。驚いたことに、長野にある「明治産業」の再建記録でした。約30年前の物語です。当時の斎藤社長が2012年、86歳で著した本で自費出版ではありません。私が入社した頃の話ですが、今私が取り組んでいる兄弟会社の改革と瓜二つです。そんなことが40年近く昔にあったとは! 老境に入り(失礼)自慢話臭さも抜けて事実を淡々と述べています。大変、勉強になりました。勇気づけられました。前の会社で、私とともに闘ってくれた人たち、今の会社でともに闘ってくれている人たちの物語を書き残して置きたくなりました。備忘します。★★★

闘う社長 ある中小企業再建記

闘う社長 ある中小企業再建記

毎年一億円もの補助を与え、甘やかしてきた明治製菓の親心にも反省がなしとはしない。しかし、この甘やかしに漫然と寄りかかり続けてきた明治産業の、いわば、「親方日の丸」的体質に、より大きな罪がある。p.26
肝心なのは、リーダーの決意と妥協を許さぬ強い意志だ。折に触れてそれを示せば、周囲は、リーダーの覚悟に引っ張られ動くようになる。p.50
選択肢は限られている。いや、ただ一つしかないと私はかんがえた。それは、「明治成菓依存体質からの脱却」である。p.59
…「製造各部署一日入隊」は、私が真っ先に行ったことの一つだ。p.64
病巣は、永年の温室的企業生活と同一地域に居住する社員の仲間意識にある。p.65
それにしても管理者の怠慢ぶりはどうであろう。杜撰さは、昨日今日に始まったわけではあるまい。歴代経営者たちの管理者教育は、いったいどうなっていたのだろうか。p.69
私は会社再生のため従業員の意識改革を図らなければならないと決意した。現状から判断して、人間改造まで踏み込む必要があるだろう。p75
…経営内容の分析・労働条件の他社比較・労働規律の強緩などに…しっかり目を向けてほしい。…明治産業株式会社というのもおこがましい。実実態は明治産業サロンだ。企業の体をなしていない。p.122
最後にいう。あなたたちのような鈍重で、怠惰で、不勉強な人間集団にかまけて私の残された貴重な人生を消費したくない。後は私についてくるのか、こないのかあなたたちが判断しなさい。その結果については、あなたたち自身が責任を負わなければならないp.125
タクシーで道南食品に向かう。降ろされた瞬間、戸惑った。ここではない。40年前の工場はくすんで暗い感じであったが…見回すとmeijiのロゴマークがある。新築したのだ。社長は「この5月にオープンしました」と話してくれた。…直に打ち解けて何でも話すことができた。東日本大震災の影響で…道南食品の業績にも影響があり…海外からの観光客がめっきり少なくなったという。…健闘を期待して道南食品を辞した。p.362