世間のカラクリ

「世間のカラクリ」を読みました。面白い! 国債が破綻するのは当たり前、地球は寒冷化している。肺がんの原因はタバコではない。健康診断はしないほうがいい。がん治療は意味がない。大麻は体に悪くない、などなど。へーと思うこと連発です。池田先生は生物学者だそうですが、興味は社会全体に及び、常識や定説をただちには信じない方で、へそ曲がりのきらいが見えます。そこが実に面白い。良書です。備忘します。★★

世間のカラクリ

世間のカラクリ

…ランニングは大麻を吸うよりはるかに体に悪いと思う。総じて激しい運動は体に悪い。p.33)
肺がんの最も大きな原因はモータリゼーションをはじめとする大気汚染だと私は思うが、現代社会では車を廃絶するという選択肢はない。タバコはスケープゴートになっているに違いない。
人生はトレードオフだということを実感しないことが若さの特権なのかもしれない。…本格的に研究しようかな、と呟いたすぐあとで、残念そうに話していたが…確かに寿命との競争になってしまうのである。(p.97)
…医者に診てもらってかえって早死にする現象をフィンランド症候群と呼ぶようになったのである。特に心疾患死と外因死は介入群で目立って多く、医者による介入がストレスを招きその結果これらの死因の上昇につながったのではないかと思われる。(p.108)
…80歳以上の人では最高血圧が180超の人たちは生存率が最も高かったそうだ。お年寄りに無理に降圧剤を飲ませるとかえって早死にするかもしれないね。(p.119)