貧困ビジネス

貧困ビジネス」(角倉貴史著 幻冬舎新書刊)を読みました。貧困ビジネスとは「貧困層をメインターゲットにして、短期的な利益を追求するビジネス全般」だそうです。人間の悪知恵に驚きます。勝てばいいとなれば何でもありです。リーマンショック直後の2008年の暮れの出版ですので、現在は、さらに混迷の度を増しているかも知れません。具体的なビジネスを列挙しておきます。「敷金ゼロ、礼金ゼロ」「保証人ビジネス」「ホストクラブ遊びの果てにソープランド嬢」「ホームレスから生活保護給付をピンハネ」「多重債務者の養子縁組」「悪徳不動産業者のローン設定」「闇金とレンタル店」「名簿屋」「悪徳弁護士」「治験ボランティア情報提供」「臓器売買」「売春」「ねすみ講」「偽装派遣」「日雇い派遣」等々。まあよくいろいろなビジネスモデルを考えたたもので、真面目に普通の商売をした方が儲かるような気もします。

特に面白かったのは「台頭する貧困対応型セックスビジネス」の話でした。「裏ビデオボックス」(客が個室でアダルトビデオ…を見ている最中に女の子が入ってきて、手を使った性的サービスをしてくれる…サービスのこと p.158)平均客単価は3000円だそうです。いわゆる「抜き」です。昔、ストリップ小屋で見たことがあります。不況知らずだったセックス産業もこの不景気には勝てず、安値競争に突入だそうです。キャバクラ嬢やソープ嬢はブランド品を買えなくなり、ホストクラブ通いもできなくなり、結果、ホストも貧乏になってきているそうです。風が吹けば桶屋が儲かるとか…

貧困ビジネス (幻冬舎新書)

貧困ビジネス (幻冬舎新書)