痩我慢の説

「痩我慢の説」を青空文庫で読みました。痛快です。すっきりしました。福沢諭吉の名高いエッセイです。幕末の立役者、勝海舟榎本武揚への批判文です。弾劾かと聞いていましたが、原文にあたってみるとそれほどきつくはありませんでした。勝海舟に対しては江戸の町を戦場にしなかったのは良い判断だったが、そのあと、貴族になるのは如何なものか、隠棲するべきではないか。榎本武揚に対しては、勝つ見込みのない箱館戦争をやせ我慢で起こし、負けて降伏したことはやむを得ない。しかし、新政府で青雲の志しを持ち、大出世するのは如何か。戦死者の弔いに残りの人生を捧げるべきではないのか。★★

明治十年 丁丑公論・瘠我慢の説 (講談社学術文庫)

明治十年 丁丑公論・瘠我慢の説 (講談社学術文庫)