梶井基次郎

桜を見ながら、ふと、梶井基次郎を思い浮かべた。桜の木の下には死体が埋まっている。そうだ、「桜の樹の下には」を読み返してみよう。i文庫HDで探し当て、40数年ぶりに読んだ。薄羽かげろうの死骸が対比されていたことなど、すっかり忘れている。情景は鮮やかに想像できるのに心がときめかない。
妻と丸善のレストランでハヤシライスを注文。妻のセットに檸檬ケーキがついていた。早速、家に帰って「檸檬」を読む。切ない、憂鬱な、若々しい感覚が戻る。
ようやくにして自分を取り戻しはじめたか。