とっておきのヒスイの話

「とっておきのヒスイの話」を読みました。糸魚川フォッサマグナミュージアムの宮島学芸員著作です。縄文時代から説き起こし昭和に再発見するまでの経緯、戦後の混乱期に盗掘や開発の危険を何とか乗り切った話などスリル満点の前半です。後半は、新鉱物発見の秘話で、学者ではない宮島学芸員が孤軍奮闘、研究を重ね次々と新鉱物を発見していく様子は小気味の良いものです。宮島氏が自分の名前を隠しながらこの小冊子を発表せざるをえない姿に、学会との関係、公務員としての立場、研究者としての矜持、さまざまに交錯していることがよくわかりました。★★