「菜根譚」を読みました。新渡戸稲造氏がたくさん引用していたので読んでみました。人生訓満載で、一言で言えば「中庸」をすすめています。中国、明の時代17世紀の初め頃、今から400年ほど前に書かれた本です。著者は洪応明、若い頃、科挙に合格して官吏に、退官後、道教や仏教の研究をした人だそうです。本書は江戸時代には日本でよく読まれたそうです。前編には逆境の対処のしかたなど示唆に富んだ内容が多く含まれています。後編は仏教や道教の色が濃く納得しづらい内容でした。備忘します。
- 作者: 守屋洋
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/03/20
- メディア: 単行本
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見通しの立たない計画に頭を悩ますよりも、すでに軌道にのった事業の発展をはかるがよい。ページ97
下り坂に向かう兆しは最盛期に現れ、新しいものの胎動は衰退の極に生じる。ページ113
日が暮れ落ちても夕映えは美しく輝き、年の瀬が迫っても柑橘はふくいくと香る。君子もまた晩年には、いっそう精神を奮い立たせねばならない。ページ211
やめようと思ったら、今すぐやめよ。時機を見計らっていては、いつまでもやめることはできない。ページ251
花を見るなら五分咲き、酒を飲むならほろ酔いかげん、このあたりに最高の趣がある。ページ356